八百屋さんでハチクを買って帰った。
春は筍料理をする余裕が無くて、旬を逃したなぁと
寂しく感じていたので、嬉しくて。
最初の1本は、包丁で切りこみを入れるやり方に気付かず、
1枚ずつ皮を剥いでしまった。
周りには赤茶色の皮が山盛り。
1枚1枚がカールしているので、可食部分と比べて見た目の
ボリュームが凄い。
お店ではそのまま調理して大丈夫と言われたけれど、念のため
灰汁抜きしても若干のえぐみが残った。
遅い春の味。
待ちわびていた香り。
ヒトの本質的なところも、色んな皮を剥いでいった後に現れるもの
なのかも知れない。
今の私が過去の私からの変化にビックリしているように、未来の私も
今の私を思い出して驚く日が来るのだろう。
えぐみこそが人生の醍醐味と思える日が来るまで、私はたくさんの
皮を剥ぎ続けるのだろう。