テレノイドは遠隔操作型のアンドロイドと言われてはいるけど、
年齢や性別が判別できないようなニュートラルな見た目で、
私なんかはギョッとしてしまった。
施設にいるご老人達や精神的に問題を抱えた子供達との
コミュニケーションや治療に役立っているらしい。
教授曰く、「足りない情報はポジティブなイメージで補完する
人間の性質を利用している。」
へぇ、人間ってそんなことしてるんだ!
「人の存在感を再現するのに人の全てを表現する必要はない。」
例えば、テレノイドの抱っこできる触感と人間らしい声の二つがあれば
十分に人の存在感を感じることができるので、あとは利用者の方に
自由に想像してもらった方が良い、というのが大きな発見だったそうだ。
私も息子を恋しがって、顔や体や声や匂いを思い出すけれど、そういう
物質的なものだけが息子な訳ではきっとないのだろう。
メッセージなのかな、と感じる内容に対して、どういう思いで息子が
私にそれを送ってくれたのかを想像することが、息子の存在を
感じるということなのだろう。
私はとても頭が固いらしいので、それを解ってくれている息子がきっと
本や科学番組なんかから大事なことを吸収させようと頑張ってくれている
のではないかと想像してみると、かすかな幸せを感じられる。