隣の市にある神社にお礼参りに行ってきた。

 なんとか子供を授かりたいと、すがるような気持ちで訪れ、

 子授けのお守りまで買ったのはこの神社だけだった。

 子授けとして特に有名なわけでもない神社だった。

 

 隣の市にあって、遠方ではないものの、電車とバスを

 乗り継いで参拝したのは1年以上前なのかもしれない…

 最初の1年はしっかり記憶がないくらいに手当たり次第動いていたから。 

 

 ここしばらくで、手を合わせて神様にお伝えする内容が変わってきた。

 以前には息子をどうしても私の元に戻してほしくて、そのお願いばかりをしていた。

 もちろん、お腹の子の魂が息子であれば、本当に本当に嬉しい。

 

 だけど、もし息子があちらで積みたい学びがあるにもかかわらず、

 私が一方的にこの世での再会の希望を募らせてばかりいたら、息子はどう感じるのだろう。 

 

 それに、もしお腹の子に入る別の魂がすでに決まっているのに、その魂が私の息子ばかりへの

 気持ちを知ったらどう感じるのだろう。

 

 自分の願い通りに行かないかもしれないこと、親として子供の願望も考慮してやりたいこと。

 そういう事を考える余裕が出てきたのだろうか。

 

 

 お宮参りのご祈祷を受けている家族連れがいた。

 顔は見えないけれど、男の子の赤ちゃんのようだった。

 こんな時期にしては暖かい日だっだので、良かったねぇと思いながら、

 やはり息子を思い出していた。