息子が亡くなった時、娘は3歳10か月。
死についての理解はほぼ無いものだと思っていました。
もちろん、泣くわけでもなく、「神様のところに行った」
で納得してくれていました。
私や両親が息子について話したがらないのを察してか、
1~2か月はあまり話題に上らなかったように記憶しています。
しかしその後、「弟クン、なんで神様のところに行ったん?」
「弟クン、いつ帰ってくるんかなぁ?」はよく聞かれました。
最初は、痛いものに触れられたような気持で、顔を合わすこともなく、
「なんでやろなぁ。」「娘ちゃん、神様に聞いてよ。」とそっけなく答えて
いましたが、頻度が高くなってきました。
「弟クン帰ってきたら、○○してあげる。」
「弟クン、~~できるかな?」
今では毎日のように話題に上ります。
最初は辛かったのですが、だんだんこうした会話が私と子供たちの
絆を深めてくれているようにさえ感じられます。
娘の口からは、「弟が死んだ」という表現がされたことはありません。
少なくとも私の前では。
でも彼女は、「死ぬ」という言葉を知っています。
そして、動物や他人については使うこともあります。
もっと言えば、「神様のところに行く」=「死ぬ」ということも理解しています。
それに気づいたのは今年のGW。
娘が4歳10か月の時でした。
娘と二人で長距離特急に乗車中、義父のことを尋ねられました。
「パパのお父さんは、神様のところに行ったよ。」
私もいつも通り、「死ぬ」という言葉を使わずに娘に説明しました。
「死んじゃったの?」と、あっさり聞く娘。
この時私は何とも言えない気持ちになっていました。
「そうやねぇ。」とでも答えたのでしょうか。
4歳の子供にこんなに気を遣わせてしまっていたこと。
5歳になった今、もしかしたらもっとストレスをかけてしまっている
かもしれないこと。
情けないことに、今の私にはどうしようもなく、申し訳なくて仕方ないです。
娘の言動にはしっかり注意を向けてあげなければ。
一緒にいる時間に、少しでも笑顔を増やさなければ。
弱い母なりに、彼女を守っていきたいです。