さっき雨が降り始めた。

 僕は雨が好きだ。
 さすがに1週間も降り続いたり、災害級の雨は困るけど、2、3日なら全然いい。

 土が濡れて夜の中に立ち上る匂いが 本当に心地よい。木々がみずみずしくなって 世界がよみがっていくような感じがする。

 一人の夜は淋しい時もあるけど、雨が降っていて 雨音を聴いてると、いつも落ち着いている。

 なぜだろうと 時々想う。

 雨は 道路を濡らし 木々を濡らし 誰もいない公園の遊具や 車も濡らし 信号灯も濡らす。
 雨の音によって 僕は世界とつながっている。

 だからだろうか?
 
 最近思ったのは もしかすると 母の胎内にいた記憶を思い出すからだろうかということ。

 胎児はちゃんと聴覚が発達していて、心臓の鼓動や 体液の流れ 母親の声などを聴いているという。

 中でも母の声は 高周波部分のみがフィルターされて胎児に届くという。高周波音は 天の音でもある。

 この世界に宿る魂のために 胎内はスピリットの世界を思わせる環境になっているんだろうか。

 部屋を包む雨音は そんな遠い記憶を思い出させるのかも。

 雨は言い訳にもなる。

 特に予定のない休みの日、どこへ行こうかとあれこれ考える。

 でも朝から雨が降り続いてるそんな日は

 家でゆっくりしていよう

 そう堂々と思える。
 
 とりとめなく いろんなこと想いながら 雨音に耳を傾ける。

 その音は 安全守られてるから 包まれてるから ここにいてもいいよって言ってくれる。

 だから僕は 雨の日には どこにもいかなくていい。

 一人でも淋しくない。