去年の今頃も 僕はこの大きなケヤキの根っこに裸足で座っていた。

 

  今年も靴を脱いで この根っこの上に座った。

 

  12月の公園は人影が少ない。落葉樹の葉はほとんど落ちている。

 

  地面は昨日の雨の湿気が残ってて少し冷たい。

 

  でも樹の肌は、太陽の温もりを吸い込んでかほんのり温かい。

 

  そのぬくもりが素足に伝わってくる。

 

  大きな根っこは座椅子みたいに、その根の股にすっぽりと座って 幹に背中をあずけることができる。

 

  そうして目を閉じていると すぐにじわじわ~っと気持ちがよくなってきた。

 

  朝から頭が重くて痛かったけど あまり気にならなくなり 意識がクリアになってきた。

 

  象の背に揺られたり クジラの背中で昼寝をしたりするのは、こんな気分に近いんじゃないだろうか。

 

  大きな生き物に 自分をゆだねて 安らいでる感覚。

 

  樹は生きている。

 

  だから こんなに気持ちよいのに違いない。

 

  樹は地下に根を伸ばして 地球とつながっている。

 

  このケヤキ君に座っていると そのほかの樹や 動物や 虫たちとも つながる。

 

  だから 気持ちがいいんだろうか。

 

  どこからか飛んできたてんとう虫が手に止まり、少し手の上を歩くと また羽根を開いて飛んで行った。

 

  ひとつの命とつながることは 他のすべての命とつながることだ。

 

  都会の中で生きていると 誰かとの接点は その人との接点でしかないように思えるけど 本当はそうでなないだろう。

 

  でも命との一体感を感じることは 誰にとっても一番ここちよいことのような気がする。

 

  生命との一体感を感じさせてくれたケヤキ君に 

 

  「乗せてくれてありがとう」とお礼を言って 僕はまた靴をはいた。

 

  冬至も終わった。

 

  はっぱを落としたケヤキ君は クリスマスツリーのようなきらびやかさはないけど、そんなこと関係なしに 寡黙にそこに生えていた。

  寒い夜にも そこにどっしり根を張っているケヤキ君は スゴい。

 

  次はもっと早く 遊びに来るね^^