晩夏に先走ってひとり夜長
明けたのは南中の頃だった・・・
南中の夜明け
目薬とカフェインで碧い夢を殺す
映る影に茫然と想念を溶かし
無心の時を刻む鼓動に酔いしれた
かつて希望と名付けた朝陽には
近付いてくれるなと一瞥をくれる
なおも止まないこの呼吸が
いまいましくも訴えている
生きている
生きている
お前はまだ生きている
後付けに過ぎない理由を意味を
欲しがったのは追憶の年頃
当然与えられるものではなかった
内から主張する声の重圧が増し
ずぶずぶと沈んでゆく生体
贅沢だ わがままだ 弱虫だ
他人の不運に思い知る幸運も
気休めにしてしまう非道
真っ向勝負に勝ち目はないと
なおも抜け道を求めている
何を競っていたのだろう
時計の音と鼓動のずれが
ピタリと合った瞬間に
日は高く昇り詰めていた
目をこじ開けて仰いだ空は高く
引き寄せられて立ちあがる
秋の気配を連れた疾風に
さらわれていった独りよがり


