あるご夫婦が、赤ちゃんがなかなか授からなかったときの話です。

 

 

それを周りに何か言うというわけでもなく、いつも明るくお友達の子供達と遊んでくれていました。

 

 

このお宅に、お友達たちとお邪魔して遊んでいた時、食器を取りに行った奥様の後ろを追いかけていく天使ちゃんが見えました。

 

 

「 あ、降りてきてるんだ。でもまだ、入る準備はできてないんだな。 」

 

 

と、思ったのは、もう数年前。

 

 

最近、嬉しいニュースで、新しいご家族が生まれたとのこと。

 

 

「 あの時の天使ちゃんが生まれてこれたんだな~。よかったね~。あの時、お腹に入れなかった理由、入れたタイミングが何かあったのかを聞けたら聞きたいな~。 」

 

 

と思っていたところ、ひょんなことから赤ちゃんとお話できることが出来ました。

 

 

結論から言うと、生まれてきた赤ちゃんは、あの時の天使ちゃんではありませんでした。

 

 

あの時の天使ちゃんのことを赤ちゃんは、「お兄ちゃん」と呼んでいて、赤ちゃんが生まれてこれたのは、全部お兄ちゃんが道を作り、赤ちゃんをお腹に連れてきてくれたそう。

 

 

赤ちゃんは、お兄ちゃんのことが大好きで、「 ぜーんぶ、お兄ちゃんのおかげ! 」と、嬉しそうに言っていました。

 

 

天使ちゃんも、赤ちゃんが無事に生まれたことを祝福しに来ていて、天使ちゃんもとても嬉しそうにしていました。

 

 

天使ちゃんに、「 君は生まれてこないの? 」

 

 

と聞いてみると、「 ちょっとだけこの世界を見れたし、お母さんの幸せそうな顔見れたから、これでいいんだよ。また、来世でお母さんと一緒になるよ!」と、言ってました。

 

 

とっても愛に溢れていて、とっても切なくて、涙が出てきました。

 

 

これは、少し前の話。

 

 

我が子の話ではないので、書くことに躊躇しましたが、私が忘れたくなかったので、記録用に。

 

 

天使のお兄ちゃんも、お母さんの子供として生まれたかったろうし、でも、自分が生まれることよりも、道を作り、妹をお姫様のように大切に大切にお母さんの元へ連れて行った。

 

 

きっと、愛に溢れた、笑顔いっぱいの家族になるだろうな。

 

 

この話は、いつか伝えられる日が来たら、お母さんに伝えたいと思った。

 

 

天使のお兄ちゃんが、お母さんのことを大好きだったこと、妹をお姫様のように扱っていたこと、また来世にね!と笑顔で天に戻っていったこと。

 

 

忘れたくないと思った。