MGC ルガーP08の6インチモデルです。シリーズのなかでは確かに

一番人気のないモデルといわれています。リアサイトのトサカのような

部品が原因で皆ささっと取り去ってしまいます。

 結局のところ、はたして6インチバレルでタンジェントサイトのない実銃が存在するのかが、問題になるのではないのでしょうか。早速手元にある古い専門書(洋書)をみてみます。

30年以上書庫の奥に眠り続けていて管理がわるくて表紙がびりびりになってしまいましたが、

なかは特に変色もなく大丈夫でした。

 プロトタイプ(試作品)1902年の写真です。この年までエキストラクターがストレートタイプで

MGCがモデルにしたタイプです。確かに6インチでタンジェントサイトはありませんが、

トグルジョイントのリングの形状が少しちがいますね。口径は9mmパラベラム弾用です。

如何せんプロトタイプで製造個数も very very limited との記載です。

 1920年 スイスモデルです。口径が7,65mmパラベラム(30ルガー)弾用ですし

6インチに限らず他にも4 3/4, 3 5/8 インチ等が製造され販売されたそうです。

いずれのモデルもグリップ セイフティが美観を著しく損なっているようにも思えます。

 

 

 

 戦後生産されたルガーのなかで、6インチでグリップ セイフティもタンジェント サイトも

ない実銃をみつけました!

ストーガー製のアメリカン イーグルという実銃です。しかもうれしいことに

エキストラクターも1902年タイプで再現しています。

戦後製造されたルガーモデルといえば Mauser製が有名ですが、これも6インチで

タンジェント サイトなしです。GUN誌の表紙ですがストーガー製と一緒に掲載します。

 上がストーガー製アメリカン、イーグル、下がMauser Parabellum です。

 

実銃では6インチの数が一番少なくて高価だそうですので、6インチモデルの

もっと評価をあげてもよいとおもいます。

 

 

改めて自分のMGC製ルガーP08 6インチをみてみましょう。

 79年5月製造の刻印がありました。この年以前のものは結構機械加工跡が残っていて

これはこれで結構コレクション意欲をそそります。古き良き時代のクラフトマンシップ的な

感覚をおぼえます。ただマルシン製と並べるとさすがにちょっと引立役になりますかね。

 実はこのモデルに添付してあるカートリッジは30Mauserを模したものでした。全長が

ほんの0.3mmばかり長いのですが勿論ルガーにも使用できます。MGCではLugerと

Mauserは兄弟みたいなものでカートリッジもお互いに共用できました。