そのときであっても、完全子法人株式等に係る配当等に当てはまることになります。

配当金の計算期間を通じて、完全支配関係のある完全子法人株式等に係る配当金につきましては、その全額が益金不算入としてみなされることになります。法人が株式等の全部を、直接又は間接に保有していないものの、同一10割グループに属する他の法人から配当金の額を受けたとき、その配当金の額の全額が益金不算入となるのかという問題が考えられます。
このことにおいて、法人税法基本通達3-1-9によりますと、法人が株式等の全部を、直接又は間接に保有していない他の法人から配当金の額を受けたときで、その配当金の額の計算期間開始日から末日まで継続し、当該法人と当該他の法人が同一の10割グループに属しているときには、当該他の法人株式等の保有割合に関係なく、その配当金の額の全額が益金不算入になります。つまり配当金を受け取る法人と支払う法人との間に、直接又は間接的に完全支配する関係がないときでも、グループ全体を通じ、完全支配している法人においては、その法人からの配当金は、完全子法人株式等に係る配当等としてみなされることになります。そしてその配当金の額の全額、益金不算入として処理されることとなっています。
期限切れ欠損金を算入する条件は、解散した法人が債務超過の状態にあるとき等、残余財産がないと見込まれることです。残余財産がないと見込まれるかどうかについては、事業年度終了時の状況により判定が行われることになっています。

(1)期限切れ欠損金の損金算入
法人が解散したときにおいて、残余財産がないと見込まれるときは、期限切れ欠損金を損金の額に算入することができます。資産よりも負債が多いときは、残余財産がないと見込まれるときに当てはまることとなるため、期限切れ欠損金を使うことが可能です。

(2)期限切れ欠損金を損金に算入する要件
 期限切れ欠損金を算入する条件は、解散した法人が債務超過の状態にあるとき等、残余財産がないと見込まれることです。残余財産がないと見込まれるかどうかについては、事業年度終了時の状況によって判定が行われることになっています。つまり、事業年度終了のときにおいて残余財産があると見込まれたときは、期限切れ欠損金を損金に算入することはできないということになります。
 なお、残余財産がないことを証明する書類を確定申告書に添付する必要があります。例えば、事業年度終了の時における、資産・負債を時価評価した実態貸借対照表等が、この証明書類に当てはまります。
 1号買換えの譲渡資産の条件は、「既成市街地等内にある事務所や工場、作業場、研究所、営業所、倉庫その他これらに類する福利厚生施設を除く施設およびその付属設備またはその敷地の用に供されている土地等で、その譲渡日の属する年の1月1日に所有期間が10年を超過するもの」というものです。また、1号買換えの取得資産につきましては、日本国内の既成市街地など以外の地域にある建物や土地等、機械装置または構築物という条件があって、アパートでも適用可能になります。
 買換えの特例は、譲渡資産及び、取得資産のどちらも事業の用に供するものである場合のみ適用可能になりますが、この事業には事業に準じているもの(事業と称するほどでないが、不動産の貸付その他これに値する行為で、相当の対価を得、継続的におこなわれるもの)も含みます。これには譲り渡しや、取得する本人自身の事業用だけではなく賃貸している建物や土地等も当てはまります。しかし、1号買換えはその賃貸している土地などが事業所又は事務所として使用されることが条件となっていて、事業用として使われても駐車場や貸宅地で利用する時には、建物の敷地には当てはまらないため、適用は不可能です。
繰り延べられた譲渡損益の計上時点は、「完全支配関係を有しなくなった日の前日の属する事業年度」となります。

繰り延べした譲渡利益額又は譲渡損失額を計上する事由の発生時期は、次の通りです。
 譲受法人で、譲渡損益調整資産について再譲渡・償却・評価替え・貸倒れ・除却等の事由が生じたなら、その事由が生じた日の属する譲受法人の事業年度終了の日が、発生時期となり、譲渡法人の当該発生時期の属する事業年度の所得金額の計算上、繰り延べした譲渡利益額又は譲渡損失額が、益金の額又は損金の額に算入されることになります。
 また、「完全支配関係を有しなくなった場合」には、繰り延べられた譲渡損益の計上時点が「当該完全支配関係を有しなくなった日の前日の属する事業年度」とされます。
 繰り延べられた譲渡損益は、その計上事由により、戻入処理を行う事業年度に違いが出ますので、留意する必要があります。
譲渡法人は、譲渡後遅滞なく、譲受法人に一定の内容を通知する義務があります。

譲渡損益調整資産の譲渡に係る課税繰延の制度は、納税義務の違う法人間で、取引が行われた後に、繰り延べられた譲渡損益の計上事由が発生したという情報の提供がなされることにより初めて成り立つものであるといえます。したがって、この情報提供を確保する目的で、通知義務が設けられています。
具体的には、譲受法人は、譲渡損益調整資産につき、繰り延べられた譲渡損益を計上することになる事由が生じた際に、その旨及びその生じた日を、その事由が生じた事業年度終了後遅滞なく、その譲渡損益調整資産の譲渡法人に通知しなければならないと規定されています(法人税法施行令第122条の14第17項)。
また、譲渡損益の計上事由が発生した際のほか、グループ会社に譲渡損益調整資産を譲渡した時点においても、譲渡法人・譲受法人の両方が一定の内容を通知しなければなりません(法人税法施行令第122条の14第15項・同条第16項)。具体的には、次の通りです。
譲渡法人は、譲渡後遅滞なく、次の事項を譲受法人に通知することが義務付けられています(法人税法施行令第122条の14第15項)。
・譲渡した資産が「譲渡損益調整資産」に該当する旨
・減価償却による譲渡損益調整額の損益計上に際しては簡便法を採用する場合には、その旨
 ただし、譲渡損益調整資産から除外される売買目的有価証券及び譲渡直前の帳簿価額が1,000万円に満たない資産については、通知は不要です。
そして、譲受法人は、譲渡法人からの通知を受けた後遅滞なく、次の事項を譲渡法人に通知することが義務付けられています(法人税法施行令第122条の14第16項)。
・譲渡損益調整資産が譲受法人において売買目的有価証券に該当する場合には、その旨
・譲渡損益調整資産について、譲受法人において減価償却資産又は繰延資産(税法上の繰延資産に限ります)に該当する場合に、簡便法の適用を受けようとする旨の通知を受けたときは、その資産に適用する耐用年数又はその資産の支出の効果の及ぶ期間
 なお、譲渡法人が適格合併によって解散した場合には、合併法人に通知しなければならないと定められています。
 通知は、譲渡法人と譲受法人との間で、任意の方法で行って構いません。
グループ会社との適格合併によって解散した場合、合併法人が繰延処理を引き継ぐ必要があります。なお、グループ会社以外との適格合併の場合には、解散時に繰延処理していた譲渡損益を認識することとなります。

譲渡損益調整資産に係る譲渡損益について課税の繰延制度の適用を受けた法人が、グループ会社との適格合併によって解散したときには、その適格合併に係る合併法人を、その譲渡損益について課税の繰延制度の適用を受けた法人とみなし、繰延処理を引き継ぐことになっています(法人税法第61条の13第5項)。すなわち、このようなときには、繰り延べした譲渡損益の計上理由には当たらないといえます。
合併法人が譲渡法人との間に完全支配関係があるグループ会社内の適格合併の場合は、このようにして譲渡法人としての地位が引き継がれますが、グループ会社以外との適格合併の場合には、解散時に繰延処理していた譲渡損益を認識することとなります。
そして、譲渡損益調整資産に係る譲渡損益について課税の繰延制度の適用を受けた法人が、非適格合併によって解散したときにも、解散時に繰延処理していた譲渡損益を認識することとなります。