何かに疲れた時
頭を切り換える時
気合い入れる時
タメ息に似た呼吸方を取る
それを深呼吸と言うのかも知れない
人間と同じように命を持った動物は?
って考えたとき、ふと愛猫のピアスの顔が浮かんだ
*この子はメスなので、彼女と書きます
彼女は我が家に来て、20~21年になる
それは俺が16~17歳の時だった
彼女が我が家へ来る事になった経緯
姉か兄が生まれて間もない仔猫をもらってきた
その2.3日後に俺と姉で出掛けて、仔猫は家でお留守番
帰宅して、まだ名もない仔猫が亡くなってた
泣きまくってる俺と姉を兄が見てその2日後くらいにメスの仔猫をもっらって来た
俺と姉はすこぶる喜んだ
命名はピアス 母が名付け親
そこから彼女(ピアス)との生活が始まった
元気よく走り回る彼女
なんにでもじゃれる彼女
俺に着いてくる彼女
ご飯を食べ、水を飲んでる彼女
俺の股で寝てる彼女
全部が好きだった
大人になって、外で遊ぶようになって
庭の木に登って黄昏
ネズミや鳥を捕まえてきて俺の部屋の前に頭と心臓だけ置いといたり
簡易クローゼットの中に子供6匹産んだりね
話せばきりがない!
自分の便所の端っこに両手両足でちょこんと座って、細い目して遠~くを見つめて音を立てて下痢のウンコしたり
笑いありの彼女との生活だった
彼女は一緒になってからの俺の全部を知ってる
キョウダイケンカ
女とのケンカ
笑い話
営み
親との壮絶なケンカ
笑い話
全部知ってる
30半ばで俺は実家に帰ってきて、彼女みたら様子が変で平衡感覚ないのか壁にぶつかったりしてた
鳴きまくってた
あからさまに様子が変だと思ったときに
『ピアス~!』
と呼んでも反応が無いことに気付いて、耳が聞こえない事が判明
壁にぶつかったりしてたから目をじっと見てみたら、白くなりつつあったから白内障と判明

正直、この時点て俺は相当ショックを受けた
もうまともに俺の声が聞けないし
俺の顔が見れないのか…
なんて彼女が思ってるであろう事を俺は感じた
でも、俺が仕事から帰ってくると2階からトコトコ降りてきて俺の所へ来て頭スリスリする
きっと動物が持ってると言われてるsix senseと云うモノで俺を感じて取ってたんだろう
そして今年、更に様子がおかしくなって来て、ご飯もまともに食べないし、水もまともに飲まなかった

ご飯を固形から柔らかい物に変えたら、食べるようになった
でも、それもほんの数日だけだった
鳴き声も変わって、か細い声
最近も、目も見えない耳も聞こえないのに家を脱走して、呼んでも聞こえるはずないのに呼んで、しばらくしたら、ヒョコっと隣の家の庭から歩いてきたり
2度目の脱走の時はまた戻ってくるだろうと思って朝まで気にせず寝て待ってたら、朝の6時前に母親から電話で
『隣の家の車庫の前で座ってたいやー!笑 お前、起きれよ!』
って感じだった
ここ2.3日は母親が彼女のこと心配になって、ご飯も食べないし、水も飲まないからあからさまに細くなって歩けない彼女にお手製のリード着けて、柱に結んでた
でも、それ見て俺はホッとした
もう居なくなんないな!って
猫って飼い主に死に目を見せないって言うじゃん
きっと彼女は自分の最後が近いと悟ってたんだと思う
家に居れば、事故死は避けれるし…
でもね、最近の彼女、とっても元気がなくて横になったっきり動かないんです
呼吸はしてる
朝起きると同時に必ず確認
今日の夕方仕事終わって家に帰ってきて玄関開けたらそこに横になってた
あ!まだ呼吸してる!
頑張って俺の帰りを待ってたんだな~!
って体を撫でたら、口が弱冠動いて呼吸が早くなった
ごめん、負担かけたね
ってしばらく側にいた
俺は夕飯食べて、風呂入る準備して、彼女の側に行った
まだ呼吸してる事を確認して風呂に入った
頭を剃って身体洗ってる時に、彼女の声が聞こえた
か細い鳴き声が…
嫌なことがふと脳裏を過る…、まさか、な…
風呂から上がって彼女の所へ行った
じっくり彼女の事をみたら、お腹動いてないし
仕事から帰ってきたときに見た彼女の唇は赤かったのに、この時、白かった
亡くなってた
…何より、目に涙がイッパイだった
なぁピアス、どうだった?
お前の生きてきた20年は?
楽しかったか?
…それとも辛かったか?
俺はな、お前が側に居てくれてスッゲー楽しかったし、何よりお前が大好きだった‼
勿論、今も大好きだぞ‼
お前の事を好きなの俺だけじゃないぞ!
俺の兄ちゃんも姉ちゃんも俺と同じ気持ちだからな!
母ちゃんも父ちゃんも同じだ!
ありがとな、うちに来てくれて‼
そして、俺を愛してくれてありがとう‼‼
俺も愛してたぞ‼‼
天寿を全うしたな、お疲れ様
俺が死んだその時は俺の匂いを嗅ぎ付けてまた側に来いよ!
その時まで、じゃあな



R.I.P…ピアス
i love you…
PS.死因は老衰です