毎週日曜日あさ7時放送の「ゲンキの時間」で顎関節症の話題がありました。
http://hicbc.com/tv/genki/archive/130602/
そこでは、以前顎関節症になって、7年間も治らずに精神的にも病んで大変な思いをしたという女性の方が体験談を語っておりました。
それについて医師も「顎関節症になると、精神が病んでしまうくらい大変な病気なんです!」的な内容の話をされておりましたが、残念ながらこのお医者さん、顎関節症の原因を理解されていないようです。
原因を理解されていないから、番組の最後には「アゴ」のズレの予防法&改善エクササイズ(顎関節周辺の筋肉を手の平で下から上に滑らせるように2~3回マッサージする)として「咬筋マッサージ」などを紹介しておりましたが、それでは予防にも改善にもなりません!
そんな単純なエクササイズで顎関節症(アゴのズレ)が改善できるのであれば、今回番組で紹介されたこの女性は何故7年間もの長い間、顎関節症が治らなかったのでしょう?
原因としてあげられていたのは、左右の偏った噛み癖・長時間噛み締めると左右の力が均等じゃなくなる・歯軋り、などでした。
じゃ~、寝ている時の歯軋りが原因なのであれば、解決策はマウスピースしかありませんよね!
でも、マウスピースで改善される患者さんがどれくらいの割合でいるのでしょう?
その前に、ここで紹介された女性は何故7年間も治らなかったのでしょう?
マウスピースの使用を知らなかったから?
そんなはずはありません。
この番組でもマウスピースを紹介しておりましたし、マウスピースは医学的には当たり前の対応策です。
ここではっきり言っておきたいのは、
顎関節症がはじまりで、それが治らなくて辛くて精神的に病んでしまうのではなく、
精神的に病んでいる人、いわゆる更年期障害に陥った人が、顎関節症(アゴのズレ)を起こすため、更年期障害から抜け出すまで(7年もの長い間)顎関節症は改善されないということです!
ですから更年期障害の患者さんには顎関節症が多いわけです。
だからいくら歯医者さんに行って、歯の噛み合わせを調整してもらっても、次の日にはすぐにまたズレてしまい、「治らない!治らない!あそこの歯医者はやぶ医者だ!」ってことになるわけです。
顎関節症の原因には2種類ありまして、筋肉疲労によるものと、精神疾患(ストレス性)のものとがあります。
肉体疲労によるものは、顎関節に影響する筋肉が萎縮してしまうために起こりますので、それを緩ますことが出来ればすぐに改善することができます。
しかし、更年期障害の方の場合は、更年期障害が原因で全身の筋肉に萎縮が起こり、色々な症状が出てしまうため、更年期障害が治らなければ顎関節症も治ることはありません。
ですからここで紹介された女性の患者さんも7年間の更年期障害を経て、そこからやっと抜け出すことが出来た時と同じ時期に顎関節症が改善されたはずです。
顎関節症は得意分野の一つとしている龍之介でした!