Finding 昭和 (昭和を探して)と考えた時に、真っ先に浮かぶのは、武蔵小山の喫茶店 珈琲太郎です。




もう、かれこれ何年も通っていますが、いつも、変わらぬ時間が流れています。


東京には、探せば昭和の純喫茶はまだまだあります。でも、太郎ほど広く、のんびりできる喫茶店はそうありません。全席喫煙。嫌煙家は嫌でしょうが、空間が広いので、隣から煙がやって来るということはまずありません。


店内は、アメ色です。照明が落としてあって、完全に時間が止まっています。


武蔵小山のアーケードの中、東急ストア―の2階にあります。

ここには長年、太郎とお好み焼きと洋食のレストランがありました。


洋食のレストラン「ピーコック」は、ご主人が体調を崩して閉店なさいました。今は、お好み焼き「風車」と太郎だけです。


寂しくなりました。


お客の年齢層は高く、たいていは、俺が最年少だったりします。


広い店内ですが、面白いもので、たいてい同じ席に座ってしまいます。


そしてまた、いつも自分の場所は空いているのです。


そこに腰かけて、珈琲を注文するたびに、いつまでここに席が空いているかなと、思ってしまいます。

マスターに、太郎さんなのですかとお伺いしたら、違うそうです。(笑)


前オーナーが作ったお店だそうで、お辞めになったとき、そのまま、居抜きでお店を始められたんだそうです。屋号を変えるの、面倒くさかったから・・・と、おっしゃいましたが、太郎っていい名前ですよね。


それが、32年前だそうです。1980年初旬ですね。俺は、1980年に東京へ出てきたので、大体同じくらい。その時から太郎はあったということです。


マスターは、いつも姿勢がよくて、優しいお顔をしています。給仕は、奥様がやっています。


お二人ともに、お年のせいか、既にどこか、浮世離れしています。

たいてのことは、あるがままな感じです。

いつもにこにこ笑顔で仕事なさっていますが、動じない強さも感じます。32年間、ぶれない力があるのでしょう。


そう思ってお二人を観察すると、とても誇りを持って仕事をなさっていることが分かります。

広い店内ですから、お二人で切り盛りするのは大変でしょうが、店内は清潔で、マスターはきれい好きな方だとお見受けします。


これを書く許可をお願いした時に、少しお話を伺いました。


なんと、太郎の前は、銀座で喫茶店を経営なさっていたそうです!ソニービルの隣とおっしゃったので、日動画廊のところでしょうか。50年前だそうです。


その後、神田に移転して、神田では、10名以上のスタッフがいたそうです。

凄いですね。人に歴史ありとは、まさに、その通りです。


神田は詳しいので、どこですかと聞いたら、武蔵小山から行くとこっちの方と、結局、分からないお答えでした。(笑)


今度ゆっくり話を聞かせてください。




いつまでできるか分からないとおっしゃいます。

そうかもしれないなあと、正直、そう思います。


それでも、いつ行っても、同じ時間が流れる太郎。

同じところに座りますからね、いつかゆっくり、お話を聞かせてくださいよ!


珈琲太郎
TEL:03-3782-4124
住所: 東京都品川区荏原3-5-4
9:00~21:00(モーニング9:00~11:00)火曜定休

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