【6月25日】

 大和国・近江国の1200余りの史(ふひと)姓の人々が,過去の詔勅で

藤原鎌足・不比等を名乗ってはならないとあるから,同音の史から改姓

したいとの申し入れがあり,直姓を下賜されました。

 

 この人達は,後漢の鄧言興・帝利の子孫だと書かれています。

 この2人がどのような経緯で日本に来たのか,誰か知ってれば教えて

下さい。

 

 古代日本は,秦氏の集団渡来に見られるように,かなりの数の外国人

が来訪していたようです。

 

 そもそも,薩摩や南方諸島,東北北部などは服属していないため,どこ

までを当時の日本と見るかは議論がありますが,近畿には相当の渡来

人集落があったと思われます。

 

 このあたりも,そのうち調べてみたいところ。

 

【7月4日】

 皇太后の健康が思わしくないため,庶民に対し年内いっぱい殺生を禁

止しました。

 

 あわせて,猪・鹿肉を天皇に献上することを永久に禁じます。

 

 これまでも,天皇陛下の近親者が病気になったり,災害が起こると,飼

っていた家畜や鷹狩の鷹を放したり,殺生を禁止したりといったことはあ

ましたが,獣肉食の禁止にかかる記載は初めてかもしれないな。

 

 もちろん,これらは仏教思想の実践であり,動物を開放することで供養

するといった放生会の一種でしょう。

 

 あと,同様に官奴婢を開放し良民にしたという記述を見るに,当時の

人間観では,奴隷身分は動物と同類のものだったのかもしれない。