原油相場は4営業日振りに反発です。前日引け後の時間外取引は軟調を続け、一時$80/bbl台まで沈みました。しかし、大台割れを回避すると上昇に転じています。

7月10日の NYMEX WTI 原油先物の終値は前日比69セント高の$82.10/bblで、引け後の時間外取引は$82/bbl台前半です。

米国の原油処理や製品出荷堅調が好感される一方、毎月のように過大な需給逼迫を予測する OPEC の月報は余り材料視されません。

米国エネルギー情報局 (EIA) の週間統計によると、先週末の米国の原油在庫は25～130万バレルの減少予想に対し前週比344万バレルの減少です。クッシング原油在庫は同70万バレル減でした。

原油処理量は前週比日量32万バレル増加で4週振りに日量1,700万バレル大台に乗せ、製油所稼働率は95％を超えています。原油輸入量が前週比日量21万バレル増に対し輸出は同40万バレル減でした。

石油製品の総出荷量は前週比日量33万バレル減りましたが、引き続き日量2,000万バレル大台を維持しています。

OPEC の7月月報によると、2024年の世界の石油需要見通しは日量1億460万バレルで前月予想から変わらず、2025年の需要予測は日量1億631万バレルで前回と同じです。

2024年の OPEC 原油を除く世界の石油供給量は日量6,132万バレルで前回から同6万バレルの上方修正、2025年の供給予測は日量6,245万バレルで前回から同7万バレルの上方修正です。

二次ソースによる6月の OPEC 推定産油量は日量2,657万バレルで前月比同8万バレル減、OPEC+ 全体の生産量は日量4,080万バレルで前月比同13万バレルの減少となっています。

OPEC 推定の今年第2四半期の OPEC+ 原油必要量が日量4,250万バレルだったのに対し、生産量は同4,086万バレルで同160万バレルの供給不足です。第1四半期の推定不足量は日量130万バレルだったので、不足幅が拡大しています。

第3四半期の不足量は、生産量が第2四半期水準に留まった場合日量260万バレル規模に拡大と予想されます。

プラッツの調査によると、6月の OPEC 加盟12か国の産油量は日量2,676万バレルで前月比同1万バレル増でした。
イラクの減産をナイジェリアやイランの増産が相殺しています。

OPEC+ 全体の推定生産量は日量4,087万バレルで前月比同13万バレル減。ロシアの供給が減っています。

生産調整対象国の生産枠に対する生産は日量22万バレルの超過でした。

2024/7/10
NYMEX WTI Aug： $82.10/bbl ( +0.69 )
20日移動平均： $81.23 ( +0.09 )
ボリンジャーバンド
　+2σ： $84.57/ -2σ： $77.89
　幅： $6.68 ( -0.59 ) / 100日平均： $7.67
ボラティリティ
　17.73 ( -2.15 ) / 100日平均： 21.56

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堅調維持する米国の石油需要