俺は、雌のたけのこに告白しに行った。好きだ。恋人になってくれと言いに!


そこは、竹の花が一面に咲き乱れていた。


御馳走☆デリシャス☆恋童話-竹の花2


呼んでも呼んでも、たけのこは姿を見せない。


もう、タケノコ取りに食われちまったのか?


でも、逢いたくてたまらない。


おれは、たけこを探し続けた。


すると、夢か幻か、やっとたけのこが現れたんだ。


俺が駆け寄ると、たけこは笑いながら走り出した。


追いかけても追いかけても、俺はたけこをつかまえることができなかった。


焦る俺の気持ちをよそに、たけこはふわふわと笑い続けている。


御馳走☆デリシャス☆恋童話-竹の花3

たけこをやっとつかまえたと思った瞬間、風がやんだ。


そして、たけこは


「最期の時に、会いに来てくれてありがとう」


そう言って、消えてしまった。


後にはただ、竹の花がそよいでいた。


御馳走☆デリシャス☆恋童話-たけの花1


竹は、120年に一度、花を咲かすと枯れてしまう運命を持つ。


たけこは、年老いた竹が、最期につけた芽だった。


御馳走☆デリシャス☆恋童話-竹の花4


ずいぶん昔の話じゃ。今では新芽のタケノコ達におじいちゃんと呼ばれておる。


わしも若かった。思えばあれがわしの初恋じゃった。


ああ、わしもそろそろ、花を咲かす時期かのう・・・・。

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