俺は、雌のたけのこに告白しに行った。好きだ。恋人になってくれと言いに!
そこは、竹の花が一面に咲き乱れていた。
もう、タケノコ取りに食われちまったのか?
でも、逢いたくてたまらない。
おれは、たけこを探し続けた。
すると、夢か幻か、やっとたけのこが現れたんだ。
俺が駆け寄ると、たけこは笑いながら走り出した。
追いかけても追いかけても、俺はたけこをつかまえることができなかった。
焦る俺の気持ちをよそに、たけこはふわふわと笑い続けている。
たけこをやっとつかまえたと思った瞬間、風がやんだ。
そして、たけこは
「最期の時に、会いに来てくれてありがとう」
そう言って、消えてしまった。
後にはただ、竹の花がそよいでいた。
竹は、120年に一度、花を咲かすと枯れてしまう運命を持つ。
たけこは、年老いた竹が、最期につけた芽だった。
ずいぶん昔の話じゃ。今では新芽のタケノコ達におじいちゃんと呼ばれておる。
わしも若かった。思えばあれがわしの初恋じゃった。
ああ、わしもそろそろ、花を咲かす時期かのう・・・・。
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