「……お前さ、また痕付けただろ。何なんだよその癖」
「俺のだってアピール以外どんな意味があんだよ」
 
小さい声で「あっそ」とか言ってるけど、顔はめちゃめちゃ赤くなっている。
 
……かわいい。
お互いの気持ちがわかったってだけで、こんなオマケもついてくるのか。
 
ひとりでも平気だって顔してるコイツの首筋に付けられた赤い痕に興奮するのはきっと独占欲だ。
ただコレが消える時はもう彼はアメリカにいるんだと思うといたたまれなくなって、もう一度強く吸い付いた。
 
 
 
 
 
「……翔。ちゃんと俺を切れよ」
「……どういう意味だよ?」
「恋愛も結婚も好きにしろよ。俺が言うことじゃないかもしれないけど」
「……お前もそうするってこと?」
「俺とお前じゃ状況が違うだろ。多分これから櫻井翔争奪戦が始まるんだろうから、俺なんか気にしないで人生を謳歌しろよ」
「……待ってる、っていうのはダメなの?」
「重い」
「……言うと思った」
 
 
潤は思い切り笑っている。
黙らせようと頭を掴んでキスしてやった。
 
 
「お互い自分の人生ちゃんと好き勝手生きよう。縁があったらまたいつか会えるだろ」
 
 
 
 
 
……出たよ。
昔の俺が振り切られた台詞。
でも、ちゃんと俺たちはまた会えてこうして繋がれた。
だったら俺はその縁とやらが俺たちにはあると信じるだけだ。
 
 
「絶対また会うからな。会ったら覚悟しとけよ」
 
 
潤は何も言わなかったけど、俺に抱きついてキスをしてきた。
今度はそのまま止まらなくなって、互いの身体に手を伸ばした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
俺たちはそれからできる限りの時間を一緒に過ごした。一緒に起きて、一緒にごはんを食べて、一緒のベッドで寝た。
彼は相変わらず朝が弱くて憎まれ口をたたくし素直じゃない時の方が多かったけど、柔らかい表情でいることも増えた。
俺がソファーで本を読んだり音楽を聞いている時に、彼はよくもたれかかってきた。温かい体温と重みが心地良くて、このまま一緒にいたいなと思った。
 
潤のバイト最終日も行った。
その日は彼が選曲したレコードがたくさん流れて、改めて彼のつくる音楽が好きだと思った。
マスターたちの生演奏もあって、潤へのはなむけの曲も演奏された。
マスターは何度も「良かったな翔くん」と言ってきて、もしかしたら俺たちのことを気付いているのかもしれないと思ったけど、それをわざわざ口に出さないところがやっぱり大人だなと思った。
潤はマスターに、また絶対に来るから潰れないように頑張ってと生意気なことを泣きながら言って別れを告げていた。
 
メンバーには速攻でバレた。
練習を見に来た潤とキスしている現場を見られたからだけど、別にバレてもいいと思っていた。
最初は「良かったね潤くん」とか言ってるだけだったのに、「ホントに翔ちゃんで大丈夫?」「翔ちゃんがしつこかったら俺らに言ってね」とか言いながら彼にへばりついていたので、一人ずつ突き飛ばしてやった。
テンションが上がった彼らがどうしてもラブソングを歌いたい歌わせてくれと言うので、潤に向けて演奏した。
潤はずっと楽しそうだった。
 
 
 
 
 
もう、彼の部屋にあった彼の持ち物はほとんどなくなっていた。
俺たちの解散ライブを見た後で出発すると言っているけど、具体的な日程はまだ決まっていないようだった。
 
 
 
 
 
いよいよ別れの時が近付いていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ちょっとここで1回切ります。
ここからは最後まで一気にいきたいので、最後まで書き上げて目処が付いたら更新します。
 
潤くんに全然会えないので過去作をいろいろ見ていた中で、東京タワーの耕二に久々にやられて始まった妄想でした。
あのころの翔と潤の圧倒的なビジュアルと若者特有の色気とちょっと乱暴な感じはたまらないですねー。
嵐のみんなはあんなに「お前」って呼び合ってるのに翔と潤はお互い「お前」って呼べない関係性に悶えます笑
「東京タワー」もドラマ化が決まったようで、事務所の後輩丸ごと応援している身としては嬉しくて😆
ドラマきっかけで映画見てくれる人も増えたらいいなあと思ったりしてます。

それではもう少々お待ち下さい!
最後までお付き合いいただければ嬉しいです!
 
ソユ