さて。毎年夏になると公開するこのお話を。チキンお断り!
肝試し!怨霊掃討戦!その①~「あんなことになるとは思ってなかったんです」~
数年前の夏。
男友達とはまってたことがありーの。それはすんごい爽やかなスポーツ、
「肝だめし」
いえー!チキンお断り。鳥は帰って?
夜中に車で繰り出して、これはヤバイ!と言われるところにあえて行くっていう脳内にお花畑ある連中しかできない狂気の沙汰。
マジで馬鹿。
馬鹿としかいいようがない。
馬と鹿もエーッ?!てなるくらい大迷惑な馬鹿。
一家皆殺しがあった家だの、野戦病院跡だの、観音だの滝だのトンネルだの、色んなところに繰り出しまくってたわけ。
かと言って特に不思議な現象に遭遇することもなく、ただただもてあます若い肉
体を「サーチ・フォー・アンビリバボな現象」に無駄に費やしていた青春の日々。
「六甲山に恐ろしい廃墟がある」
そう聞いたのは7月も半ば。じっとり暑さが増してた頃だった。
さっそく下調べを進める私たち。肝試し特命リサーチ・チキンアカン隊。
メンバーはあんどうと愉快な仲間達。
じゃなくて、あんどうwithヤスと健一。
決行当日。
3人でヤスの愛車カローラ(プッ)に乗り込み、謎の廃墟に向け出発。
BGMはもちろん「稲川淳二の怪談」。
淳二の怖い話を聞きながら肝試しに向かう3人。
私自身が化け物みたいなものなのに、何をそんなに恐怖を欲していたのだろう。
今ではそれが一番の謎。
六甲の○○道路というところに入り、下調べ通りに車は進むよどこまでも。
ステレオから聞こえる淳二・稲川の話も最高潮!
このおっさん、テンション上がると何話してるかわかんないのが味噌。
私たちまで、気分はドキドキハイテンション!!ときめきハイスクールなわけ。
猫ひろしも真っ青の無意味なハイテンション。しょーりゅーけん!しょーりゅーけん!
どどどん。
眼前にそびえ立つ、謎の廃墟。
すげー
すでになにやら不穏な空気が流れまくりやがってるー
時刻はam1:00。
そろそろ丑三つ時に特攻(ぶっこみ)の拓な時間なわけ。
とりあえず3人で建物外部を探索。
懐中電灯と、健一が製作したお菓子の箱(チョコパイ)で作ったローソク立てにローソクを灯し、ほのかな月明かりに照らし出される建物の全景を把握。把握ってみた。
情報によると、ここはある宗教団体が集団生活を営んでいたんだけど、
たくさんの人が死んだとかなんとか。
噂がどこまで本当なのかなんてどうでもいいんです。
私たちの体から分泌物ジュワー&アドレナリンメーター振り切りさえすれば何も文句はないんです。
寄り添う雛のようにビックビクで入り口をくぐる私たち。物音ひとつしただけでもショック死しそう。
懐中電灯に浮かび上がるボロボロの壁に書かれた落書きが恐怖を一層駆り立てる。
「あんたたちー!私を真ん中に挟みなさいよ!!私一応乙女だし!」
「アホかお前チ○子ついとるやろ!(当時オペ前)」
こんな風にもめるのもまたありふれた青春の風景。
戻らない青春の後姿なわけです。
人ごみに流されて変わっていく私をあなたは遠くで叱って欲しいんです。あなたは私の青春そのものなんだって松任谷も言ってた。
奥に進んでいくと大きな寝室みたいなところにスプリングがはみ出たボロボロのべッドが所狭しと並んでる。
卒倒もん。
これかなりの卒倒もんだから。
ホントに集団生活の痕跡があるわけ。
集会所みたいな所にはなにやら釈迦みたいな絵がごきげんに描いてあったり!
死ねる!
てかここで人死んでる!
廊下の突き当たりまで行くと地下への階段が。
これが一番バーヤイ(ヤバい)と聞いてるボイラー室への階段?
霊感ある子が泣き叫んじゃうほど沢山の霊がボイラー室にはいるらしい。
大人やら子供やら沢山の霊がオンパレードらしい。
カルナバル絶賛開催中らしい。
んなわけない。
霊感てだいたい何?
オカンの親戚?ダンカン?この野郎?
あのね、ちょっとそこ座れ。霊とかそうそうそんな珍しいもん見れる奴なんていないから。霊なんかより宜保さんの方がある意味怖かったでしょー!?稲川の方がトリッキーだよねー!?
でもでも。
さすがに足がすくみまくりてぃな3人。
そろりそろりと階段を降りていく。
予想通り、出た場所は大きなボイラー室。
意識すればするほど怖い雰囲気満載なんだけど。
三人ともすくんでる。足すくみまくり。
もうここで必殺「通りすがり」発動。
何気ない通りすがりのフリしてみた。
あんたたち(霊さん)には全く興味ないっていうか?
たまたま通りかかっただけっていうか?
今日の夕飯何にしよっていうか?
全力で通りすがりのフリしてみた。
表へ通じる階段を上りきると、ちょうど建物の裏側に出た。
一息つく私たち。
男二人はタバコをふかして男としての威厳を取り戻そうとしてる。
ケッ。
いつもならここで「帰ろうか」ってなるんだけど、どうもそれじゃおもしろくな
い。
どこに肝試しに行っても、皆で一緒にビックビク探検して。結局何事もなく「怖かったな~」とか言って帰るだけ。
それに反旗を翻したのがあんどう蒼!私でありんす!
はいここで鳴り止まないどころか鳴らない拍手ー
30分どころか誰一人立たないスタンディングオベーションー
「今日はじゃんけんで負けた二人が、ひとりづつ肝試し行こう」
って提案したわけ。
この提案が思わぬ結末を呼ぶことになろうとはその時の私は知る由もなかったのです。
次回、後編。
恐怖の連続!真夜中の廃墟に何が潜む?悪霊?怨念?怨念がおんねん!
きゃ~!もうしません!欲しがりません勝つまでは!行けスタープラチナ!です
。楽しみな方は→