宿題の曲を開くと同時に、
「ここ、強く弾いていい?」
と尋ねてくれたTちゃん。
理由を聞くと、
「弾いてたら、そうなってしまうから」
ということでした。
ははーん
「音がだんだん上がってるところは、だんだん強くして盛り上がる」ように、
今までいろんな曲でやったことが身についてるんやね!
Tちゃんすごい。
だけど、この曲はどうかな?
・だんだん強くする。
・だんだん弱くする。
私とTちゃんで両方を弾いて聴き比べて、どちらがこの曲の感じに合ってるか、相談しました。
結果、「楽譜通りのほうが合ってる」ということになり、それで練習してもらうことになりました
ですが、もしTちゃんが、「このほうが一つの音楽を完成させる上で自分のイメージにピッタリ合う」という理由で強く弾きたいと思うなら、それを否定するつもりはありませんでした。
機械的な演奏をするよりは、自分の感性で表現することを大事にしてほしいからです。
今は強く弾いてもいつか、「ブルクミュラーさんは、どんな気持ちでこの曲を作ったか」興味を持った時、dimin.と書かれている意味を考えてもらえたらいいと思います。
今回の場合はあてはまらないと思うので余談ですが、
私は作曲する立場から「楽譜にPPと書かれてるからといって、必ずしも作曲者がPPで弾いてほしいと思ってるとは限らない」と思っています
作曲する時、例えば「P(弱く)ぐらいで弾いてほしいけど、Pって書いてても前後のつながりでmp (少し弱く)でしか弾いてくれないだろうからPP(とても弱く)って書いとこう」と思うことがあります。
偉大な作曲家の楽譜を見ても、「ここにf強くって書いてるけど、ここはだんだん強くして本当に強くするのは2拍あとからだろうな」と思うこともあります。
できるだけ正確に演奏者に伝わるよう、自然とかけ引きしながら書いてると思うのです。
なので、ものさしで測ったような解釈ではなく、自分の感性を大事に、楽譜に書かれてることを理解できる範囲で取り入れていけば、一番作曲者の意図に近いかな、と思います。
「いやいや絶対ここはこれで!」という場合も多いですけどね