末期の卵巣癌であることが判明した彼女が
選択したのは
「治療はせず このまま人生を終える」
という道でした。
「もう充分人生を生きたから、このまま静かに
人生を終えたいの。」
「眠るように死にたい」
と話していました。
ご主人の闘病を支え、傍らで苦しい治療の
さまをつぶさにみていたので
「治療に耐える気力がないの」とも。
まわりはなんとかして治療して
一日でも長く生きていてほしいと
誰もが説得にあたりました。
彼女の意志は固く
決して首を縦には振りませんでした。
緩和ケア病棟に入り
穏やかに静かに「死」を待つことになりました。
病室を見舞うと
いつもと変わらない笑顔の(少し痩せていましたが)
優しい声が響きました。
本当に あと少しなの?
信じられません。
正確には「信じたくない」のです。
今目の前で会話している相手が
逝ってしまうなんて。
別れ際に抱き合って
お互い泣いてしまいました。
そして・・・
癌はあっという間に進行して
発見からわずか3か月で
天に召されてしまいました。
午前3時ごろ看護婦さんが
声をかけた時は返事があったそうですが
5時ごろにはもう・・・・。
本当に願った通りに
「眠るように」亡くなっていたそうです。
今でも思い出すと涙がこぼれます。
続く・・・