3月の読書 | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

4月ももう12日になっていました。

桜の満開も過ぎました。新しいタイプのオミクロン株コロナが見つかって、全然感染者が減らないのに感染者数を聞いても驚かなくなりました。一方ウクライナの戦死者数は増え続けるばかり、プーチンをどうにかするなんて無理な話なのかな?

 

3月に読んだ本のアップです本

 

11)森沢明夫著『ぷくぷく』

ボクは琉金のユキ。夏祭りの金魚すくいでイズミに無理やりすくわれ、イズミの家に連れてこられ、金魚鉢に入れられ窓に置かれ、イズミと共に生活することになったんだ。

イズミの生活を見守り幸せを祈るのがボクの生きがい。

イズミが落ち込んでいるとボクまで悲しくなる。

イズミに好きな人ができたみたいなんだけど、イズミには心と体にひとに言えない秘密があるみたい?

ぷく・・とでしか感情表現のできない金魚のユキちゃんがとても可愛い。

イズミもユキちゃんも幸せになる最後が嬉しかった。

 

12)乾ルカ著『おまえなんかに会いたくない』

北海道立白麗高等学校3年6組に在籍していた生徒の卒業から10年目に行われる同窓会をめぐって、10年前の高校時代と今の様子が綴られ物語が展開していく。

3年生の学校祭で10年後に開けるタイムカプセルを埋めるというイベントがあった。

そのカプセル開ける同窓会を計画中に、恋愛が成就するためにはどちらかが死ぬという不吉な遺言墨と呼ばれるもので遺言を書いてカプセルにいれたという謎のメールが同窓会サイトに投稿される。

その投稿を巡って、このクラスには明らかなスクールカーストがあったと語られ、その上位の人物とその取り巻きがクラスを牛耳っていたと、それは○○さんと名指しされたりとエスカレートしていく。

この同窓会どうなるのか?遺言墨で書かれた手紙は本当?書いたのは誰?と、まぁ読んでいる方は面白く感じながら読み進めていけた。

スクールカーストってちょっと前に話題になった気はするのですが、今もあるのでしょうか?

親子ともども頑張る入試を終えて入学した高校なので楽しい思い出で満ち溢れてほしいものです。

 

13)宇山佳佑著『今夜、ロマンス劇場で』

月組観劇日にキャトルレーヴで見つけ購入したもの。

映画の脚本を書いた宇山佳佑さんの作品。

文庫本の大きさに合わない取ってつけカバーに笑わされますが、れいこさん(月城かなと)とうみっちゃん(海乃美月)のカバーは素敵です。

監督志望の健司と健司の大好きな映画の憧れの美雪姫との素敵な恋。決して美雪に触れてはならないという掟を守りながら最後まで美雪を愛した健司。2人の純愛に心が洗われる。

映画館・ロマンス劇場の劇場主本多の妻も映画から飛び出した女性だったのですね。離れて撮った写真が大切に置かれていること。美雪姫のお世話をする場面と健司に諭す場面の本多が2人の行く末を見守る存在としての存在感を感じました

舞台では月の美しい夜に抱き合って踊ることで妻は消えてしまったのですね。光月るうさんがいい味出していましたね。るうさんと結愛かれんちゃんのダンス素敵でした。

小説の巻頭を飾るチャップリンの言葉を記しておきます

“浮浪者、紳士、詩人、夢想家、孤独な人、

      皆いつでもロマンスと冒険に憧れているんだ。”

 

14)桜木紫乃著『ふたりぐらし』

スーパーの入り口でコオロギを逃がしている紗弓とその姿に惚れた信好は結婚する。元映写技師で今は無職の信好は看護師の紗弓の給料で生活している。

認知症の母を抱える信好。結婚反対を宣言された母のいる紗弓。

信好と紗弓の交互の視点で物語が紡がれていく。

信好も紗弓も穏やかで自分たちの生活を大事にし、お互いを想い合いながらことを進めて時が流れていく。

大きな出来事は起こらないが、身近な行動の積み重ねが面白い物語に仕上がっていると感じた。

信好と紗弓に親近感を持ち、2人はきっとこれからも幸せだろうと思える静かな読み心地の物語だった。

 

15)高木敏子著『ガラスのうさぎ;新版』

1977(昭和52)年3月10日は、著者高木敏子さんの戦争で亡くされたご両親と妹お2人の33回忌だった。その時に敏子さんは、供養の意味と戦争の恐ろしさ平和の尊さを知ってほしいと「私の戦争体験」という小冊子を作って配られた。

その冊子を読まれた金の星社の編集部の人が本として出版した。

そして、2000年に読みやすく手を加えられ新版として出版された。私が今回読んだのはこの新版です。

1941年12月8日から1945年8月20日までの戦争中の敏子の生活体験が書かれている。

戦争は見境なく人を殺す。このことが顕著に書かれていました。

決して忘れてはならないことです。

どんな大義名分も人殺しの理由にはなりません。

ロシアのウクライナ侵攻から1ヵ月以上経ちました。益々ウクライナ人の犠牲者が増える一方の状況。

片やプーチンの国内支持率が85%という情報も。

今、戦争の無残さ虚しさを改めて目の前に晒され、何年たっても戦争の愚かさが変わらないことに憤りを感じます。

自分の大切な人が、一人の権力者の我が儘で命を奪われる。この理不尽さ残酷さ。

あんな大きな国を持ちながら、以前自国の領土だったから?ウクライナのロシア人がいじめられている?NATOに加盟されたら困る?いちゃもんとしか考えられない理由で一方的な軍事侵攻!

NO!WAR!

STOP!WAR!