2月の読書 | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

3月になり、啓蟄も過ぎ、弥生と呼ぶにふさわしいポカポカを感じさせる日々となりましたね。

一週間前、コロナワクチン3回目の接種をしてきました。1回目2回目と同じファイザーのもの。接種を開始したとたん気分が悪くなり、“気持ち悪いです”と言いながら接種を受けました。接種時間が長く感じ終わった後フラフラしながら家に帰り着きました。歩いて2~3分のところの医院だったから助かりました。その後は接種場所が少し腫れましたが大したことなく今に至ります。

近所の人は4回目5回目と続くよとおっしゃっていましたがどうなるのでしょうねうーん

ロシアのウクライナ侵攻のニュースを見るとコロナどころじゃないなって思いますね。早く解決を願ってもどうすることもできずボーっとしてしまう私ですショボーン

 

2月に読んだ本のまとめです本

 

6)青山美智子著『お探し物は図書室まで』

小学校に併設された「羽鳥コミュニティハウス」の中にある図書室を訪れる人を主人公に繰り広げられる物語。

総合スーパーの婦人服販売人、朋香、21歳。

家具メーカー経理部勤務、諒、35歳。

雑誌社の資料部で働く元編集部の1児のママ、夏美、40歳。

デザイン学校でイラストを学ぶもそれを仕事にできずニートの浩弥、30歳。

42年間勤め上げ無事定年退職、正雄、65歳。

その図書室にレファレンス担当の司書、小町さゆりがいる。彼女の紹介する図書と、お土産と称して渡す羊毛フェルトが登場人物の心のしこりを溶かしていく。

優しく温かい物語だと思うが、さゆりがその場所で羊毛フェルトを作っているのは変!それかボランティアでレファレンスをしている?

それに“たたたたたたたっとキーボードを打つ”というのも変!蔵書検索にスピードは必要ないですよ。それか蔵書全部頭に入っていて書名をPCで打ち出した?

でも、さゆりに紹介された本によって新しく歩き出すことができた主人公に温かく嬉しい気持ちにさせられ、良い読後を味じわった。

 

7)鈴木智彦著『ヤクザときどきピアノ』

暴力団関連記事を寄稿するライター鈴木智彦氏が、ABBAの『ダンシング・クィーン』をピアノで弾きたいと、50歳を過ぎた自分の想いを実現するために大奮闘する姿を自分でルポした作品。

憧れのピアノを弾くためにまずは教室探しから。

奇跡のようなレイコ先生との出会い、そして必死の練習。

ピアノを楽しむことの原点はピアノ教師との出会いとつくづく思わされた内容。いい先生と出会われた鈴木氏が羨ましい。

いかつい姿の鈴木氏がレイコ先生に教えを受けながら奮戦する姿が可愛く楽しかった。小説では無かったが指導練習風景がまるで物語のように目に浮かんだ。

学校の音楽授業を批判する文や暴力団の取材場面などの文も読めたのは面白く感じた。

 

8)住野よる著『青くて痛くて脆い』

田端楓は今までの経験から、自らの人生におけるテーマを「人に不用意に近づきすぎないこと」と「誰かの意見に反する意見をできるだけ口に出さないこと」と決めて大学生活を始めた。

そんな楓は正反対の生き方をしているように思える秋好寿乃と出会い、ナント秘密結社「モアイ」を作った。

その「モアイ」が学生に受け入れられ大きな組織となっていった。

結局楓はその組織から弾き飛ばされ退部することに。

そして楓の学生生活最後の目標が「モアイ」をつぶす事となる・・・。

楓のしたこと、秋好の想い、すべてが空回りして・・・。

と、読んでいる私も訳が分からなくなってしまいました!

この小説、どう気持ちを落とし込めばいいのでしょうか?

 

9)相沢沙呼著『invert;城塚翡翠倒叙集』

初めに事件が起こり犯人が判明、その後にその犯人を見つけ出す探偵が登場。事件の解明の仕方が面白いので私は倒叙小説が好きです。

城塚翡翠が色々な手を使って犯人を追及し犯行を認めさせる物語。

でも、私は主人公の城塚翡翠がどうも好きになれませんでした。

とても可愛く美しい女性。殺人は許されないとの思いで事件解決!それはイイと思うんです。でもそういう場合は犯人が相当の悪人でないと共感できません。それだと彼女の容赦ない事件解決もスッキリすることでしょう。

ところが、この小説では犯人の方が善人で被害者が悪人。そこまで追及することないじゃんと思ってはいけないことを思ってしまい、結末にスッキリ感がありませんでした。

フィクションぐらい、悪を倒し恨みを晴らす「必殺仕事人」(古い⁉)のようなものがあっていいのではと思いました。

 

10)瀧羽麻子著『もどかしいほど静かなオルゴール店』

本島から高速船で1時間以上かかる南の島。海以外になんにもないにもかかわらず観光客が絶えることのない島。また移住者もいる島。

その島に、入り口の脇にそびえ立つ大きなガジュマルの木からガジュマルの店と呼ばれるオルゴール店がある。

「お客様の心の中に流れている音楽でオルゴールを作ります」というオルゴール専門店。

この島に住んでいる人、この島を訪れた人、この島に戻ってきた人、その戻ってきた人を捜しに来た人、母の都合でこの島の祖父にあずけられた子供。母が耳の聞こえない息子のために作ったオルゴールの修理に来た兄妹。これらの人々がオルゴール店の店主に聞き取られる心の中に流れる音楽。

どんな音楽かは分からないですが、この店主と交わることでまた新たな一歩を歩みだす姿が素敵だと感じた物語でした。