新しい年になり10日が経ちました。
緊急事態宣言が出されましたが、コロナ感染者数には驚きますがあまり緊迫感が感じられず、とても感染者数が減るとは思えないです。
誰が感染してもおかしくない状態です。
東京宝塚劇場でも上演時間の開始時間が変更になりました。
13:30が11:00に変更になった日はキャンセルしました。1月は観劇予定がなくなりました。
ステイホームしようと思っています。
去年の読書記録の最終回。1年で66冊でした。
ほとんど外出しなかったのですが、読んだ本の冊数は例年と変わらなかったです。家に居たからといって冊数が増えることは無かったです。
12月の読んだ本のupです![]()
62)三上延著『ビブリア古書堂の事件手帖Ⅱ;扉子と空白の時』
ビブリア古書堂の栞子さんと大輔くんの娘 扉子ちゃんが高校生になって登場。
扉子ちゃんが祖母篠川智恵子に呼び出され、持ち出した2012年と2021年の「ビブリア古書堂の事件手帖」。
2012年に扉子ちゃんが生れ、2021年は小学3年生。扉子ちゃんが高校生の今って何年?とのっけから混乱。未来の話なん?
2012年と2021年に栞子さんと大輔くんが関わり謎解きをした横溝正史『雪割草』にまつわる物語。
『雪割草』は存在しない幻の作品だった。その作品を所有していたらしい上島秋世が亡くなった。そしてその所有物は誰かに盗まれた!
本を読みだすと止まらなくなり、読んだ本の内容は全て頭の中に刻み込まれ絶対に忘れないという篠川3世代(智恵子・栞子・扉子)。
『雪割草』事件でもこの能力が発揮され解決に結びつく。
私はどうも智恵子が苦手。やり方が狡い!
私は古書の値打ちがどうも理解できなく、たとえ著者の自筆原稿だとしてもその値打ちは分からないです。
誰も知らないからといって偽物の自筆原稿を作るなんてどうなんでしょう?智恵子さん!
63)芦沢央著『貘の耳たぶ』
妊娠7ヵ月の頃、産院主催の両親学級で一緒になった石田繭子と平野郁絵。2人は同日に出産する。繭子は帝王切開で、郁絵は普通分娩で。新生児室で隣同士のベッドで寝ている2人のベビー。目の前でいろんな偶然が重なってベビーの名札が入れ替わってしまったにもかかわらず、そのままにしてしまった繭子。繭子は郁絵の子を航太と名付け、また何も知らない郁絵は繭子の子を璃空と名付け育てることに・・・。
それぞれに愛情深く一生懸命に育て、子どもも慕う。そして4年が経つ。
郁絵の不倫を疑った夫がDNA鑑定を行ってみると夫婦共に璃空と生物学上の親子で無いとの結果が!産院での取り違え⁉
今更子供の交換なんてできるわけない・・・。
生みの親より育ての親と言いますし、産むより育てる方が何倍も大変です。と言って、自分の子には夫と自分の血が流れ確かに同じだと思えるところがあります。
取り替えるなんてできない・・自分の子をこの手に抱きたい・・揺り動く郁絵。そして繭子の真実の一言!
こうなって良かったと思う結末でした。
航太くんも璃空くんもこれからの時間と共に成長し過去を忘れ、どうか幸せであってほしいと願いました。
64)宇山佳佑著『桜のような僕の恋人』
カメラマンを目指し上京しスタジオで働くも失敗ばかりでついに退職、レンタルビデオ店のアルバイトをする朝倉晴人。何気に入った美容院でスタイリストの有明美咲に一目惚れ。
美咲にカットしてもらっている時、顔を動かした瞬間耳をちょん切られるというハプニングが起きる。お詫びに何でもするという美咲にデートを了解させる。
ここから2人は恋人同士となる。しかし幸せいっぱいの2人に悲劇が訪れる。
美咲は、人の何倍もの速さで年老いる早老病(ファストフォワード症候群)を発症。
再度カメラマンを目指してスタジオに雇ってもらい張り切る晴人。老婆になっていく姿を見せたくないと、もう会わないと告げる美咲。
美咲の兄貴司・貴司の恋人綾乃・晴人のスタジオの先輩真琴etcの登場人物も魅力的で儚い恋物語を彩ってくれる。
新幹線(東京↔豊橋)で読んでいたが涙が溢れて仕方なかった。こんな王道の恋愛小説で結末も分かりすぎているのに泣けてしまうなんて、年取っても人間って純愛小説が好きなんだと確認させられた物語でした。
65)谷崎由依著『遠の眠りの』
大正の終わりから昭和の戦後までを生きた西野絵子の物語。
福井の郊外の農村で生まれ、長男だけが大事にされ、食事も学習も差別され、女は結婚し婚家の後継ぎを生むのが幸せとの考えを押し付けられて育つ。
絵子はそんな親に反発したため家を追い出される。親友のまい子の家でお世話になった後、絹産業に取って代わった人絹工場で女工をするが仕事に身が入らず辞める。そして福井駅前にできた百貨店で、そこに併設された「少女歌劇」のお話を書くことが条件で採用され勤めることに。
女工時代の労働運動の前線に立つ吉田朝子や少女歌劇のスター・キヨ(ボーイソプラノの持ち主:性別を偽り入団)との交流を通して描かれる絵子の人生。
労働運動の闘士になるわけでも無く、華やかな脚本家になるわけでも無く、やはり平凡な人生を歩むしかない絵子。
ほとんどの人が、選ぶことのできない時代を粛々と生きていく。
特別でない人を主人公にその時代を映し出した読み出のある小説だった。
66)白石睦月著『母さんは料理がへたすぎる』
高校生の山田龍一朗。会社員の母と三つ子の妹(透・蛍・渉)の4人暮らし。父が交通事故で亡くなり、勤め人の母に代わり、以前父がしていたように食事の用意を中心とした家事全般を担当する。
龍一朗・三つ子ちゃん・母(琴子)・父(武蔵)がそれぞれ主人公の短編7編からなる。
母さんは料理がへたすぎる:龍一朗、高校1年の出来事。三つ子の幼稚園キャラ弁を作ったり、クラスの女子に憧れたり、孤軍奮闘する龍一朗。
ないないづくしの女王さま:小学1年生になった妹1号透(とおる)。母の日のプレゼントを山菜の女王(シオデ)と決め、一人やまんば山で必死で探す透。
待ちぼうけの幸せ:父と交流の出来る妹3号渉(わたる)は夢の中で父に会いに行っている。父は三途の川(?)の麓で惣菜店を開きお客さんもぼちぼち。武蔵と琴子のなれそめが語られる。
プレゼント:高校2年になった龍一朗が、友達の渡辺辰美からと届いたイタリアからの葉書をめぐって、思い出す小学5年生の時にあったこと。
ウソつきたちの恋:妹2号蛍(ほたる)の恋。蛍はコンビニでバイトする龍一朗の先輩烏丸岬に恋をした。彼は龍一朗が所属する文芸部の部長。しかし岬はどうも顧問の青木先生が好きらしい。
春が生れる:母琴子の独り言。今の生活の事、夫武蔵の亡くなった時の事、ふろふき大根を見るともどす事。そんな琴子に武蔵の姉からお見合いの話が・・・。琴子は渉に連れられ武蔵に会いに夢の中へ。
母さんは料理がへたすぎて:龍一朗、高校3年生。進路で悩む。そんな中、お隣の中山さんが右手骨折し、龍一朗が夕食作りを担当する。その中山さんの快気祝のパーティーで腕を振るう龍一朗。進路は?まだまだ迷う?
「おいしい文学賞」受賞作。美味しそうなお料理ばかり登場。誰か私に作って食べさせて!
人への思いやりが溢れていてすごく楽しく読めました。登場人物の成長も楽しめながら、生きる基本はやはり食べること。美味しいと言って食べる幸せ。美味しいものを作って美味しいと食べてもらう幸せ。そんな幸せに溢れていた小説でした。