10月の読書 | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

11月に入ると急に寒くなってきたようなさむい。

 

風邪など引かないよう気を付けてくださいねマスク

 

10月に読んだ本をまとめておきます本

 

49)瀬尾まいこ著『そして、バトンは渡された』

森宮優子には、2人の母と3人の父がいる。そして、4回苗字が変わった。

生まれた時は水戸優子、生みの母の死後、父は梨花さんと再婚。

父が仕事でブラジルへ行くことになり、父と梨花さんは離婚。梨花さんが優子を引き取り田中優子となる。

次に梨花さんが再婚し泉ヶ原優子。

梨花さんはまた離婚し、森宮さんと再々婚し、森宮優子となる。

森宮さんと梨花さんは結局離婚し、今は森宮さんと優子の2人家族。

あぁややこしい!と思うが、そうなった理由が、それぞれ優子を思ってのこと。優子はどの親からも大事にされてきた。

第1章では、17歳高校3年生の優子の学校生活と進路を

第2章では、22歳で栄養士として働く優子が結婚するまで

優子の結婚式に親が全員集合花嫁

優子がバージンロードを一緒に歩く父親に選んだのは?

もう私、瀬尾まいこさんが大好きです

一見奇抜な設定でありながら、登場人物のごく普通なありよう。それぞれの相手を思いやる気持ちに笑えて泣けて心が温かくなるハート

 

50)大門剛明著『雪冤』

雪冤(せつえん)とは無実の罪をすすぎ晴らすこと。

死刑制度と冤罪をテーマに扱った第29回横溝正史ミステリ大賞受賞作品。

息子が殺人事件の容疑者として逮捕され死刑判決を受ける。息子の冤罪を信じる父親は独自に捜査を行い真犯人を追い続けることに・・・。

テーマには興味を持ったが、内容が広がりすぎ、結果が案外平凡で、今までの話は何だったの?と思ってしまい、読み疲れた感ありの小説だったイラッ

 

51)伊吹有喜著『なでし子物語』

父を亡くし母に捨てられた小学4年生の耀子(ようこ)は、祖父の勇吉に引き取られ、静岡県天竜川の奥深き場所峰生の常夏荘にやって来る。

常夏荘とは峰生の里の山林を所有し管理する遠藤家が従業員と共に住んでいる所。

そこにはおあんさんと呼ばれる今は亡き跡取りの長男の嫁照子と、今の当主、照子の義父遠藤龍巳と妻でない女性から生まれた龍巳の跡取り息子立海。立海の家庭教師青井がいた。

学校でイジメにあっている耀子は学校に行けず、立海と共に青井に勉強を教わる。

青井から教えられて言葉は「自立と自律」

自立は顔を上げて生きること。

自律は美しく生きること、新しい自分を作ること。

耀子と立海は、共に学び共に遊ぶことで立場をこえた友情を育んでいく。

やがて立海は龍巳の意向により東京に連れて行かれることに・・・。

子どもが主人公の物語であったが、耀子の祖父、照子、青井の想いが子どもたちを成長させる優しさと強さが心に染み込む物語だったおねがい

 

52)加納朋子著『カーテンコール!』

綾部桃花:体は女性心は男性。体の性と自認が一致しない性同一性障害

有村夕美:突然意識をなくすナルコレプシー

梨木朝子:朝起きられない起立性調節障害

金剛真美:エナジードリンク依存

小山千帆:太りすぎ

細井茉莉子:痩せすぎ

矢島夏鈴:フリーライター希望で学業放棄

喜多川菜々子:秘密ありの優等生

清水玲奈:自傷行為を繰り返す

閉校が決まった萌木女学園大学は、卒業保留組上記9名に対して寮生活をし特別補講を行うことに。講師は理事長角田大造。

寮での規則正しい生活・栄養満点の食事・適度の運動を励行するうちに以前より健やかな肉体を取り戻し無事卒業!

それぞれの学生のエピソードに悲しんだり笑ったりし、卒業式での理事長のスピーチ・学生に送るメッセージに胸打たれる小説だったひまわり

 

53)中島京子著『樽とタタン』

小説家の私の、今から約30年前3歳~12歳まで住んでいた、小さな町の小さな喫茶店で、知り合い・出会った人々との出来事が語られていく。

私の母が仕事をしていたため預けられ過ごすことになった、その小さな喫茶店には赤いペンキを塗った大きな樽があり、その樽の中に入ってじっとしていることが多かったのでタタンと呼ばれていた。

その喫茶店の常連の小説家・神主・学者などから色々な話を聞かされ、その話がこの小説の内容。

その話を面白いと感じるかは人それぞれだと思う。

私には捉えどころのない興味のない話で、この小説にあまり面白味を感じることができなかった下差し