5月の読書 | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

本当に時間の経つのが早いです!

ついこの前まで寒い寒いと暖房をつけていましたのに、もう冷房ですものキョロキョロ

6月になりました。今月が終わればもう半年過ぎたことのなるのですねえびっくり

5月に読んだ本をまとめておきたいと思います。

 

17)宮部みゆき著『淋しい狩人』

東京下町で亡き友人から引き継いだ古書店を切り盛りするイワさん(岩永幸吉)とその店を手伝う孫の稔。その古書店に置いてある本をきっかけに起こる事件が描かれた6編からなる短編集。

これは1993年に刊行された作品です。今から24年前の作品ということになりますね。でも古さを感じさせないとても読み心地のいい作品でした。

殺人事件や児童虐待を扱っているにもかかわらず登場人物がゆったりとした時を過ごしている感が感じられ、イワさん・稔・息子の嫁(名無し)のキャラと相まって、とても面白く読めました。

 

18)須賀しのぶ著『ゲームセットにはまだ早い』

新聞広告欄に出ていた広告文句“仕事でも、家庭でも、俺たち、戦力外⁉”と、書名から、定年前にリストラされた男たちの物語を想像していました。

読み始めたとたん私の勘違いであることが分かりました。

新潟の三香田市で町興しの一環として創設されたグラブチーム「三香田ヴィクトリー」に集まった選手たちや関わった人たちの物語でした。それぞれの人物の過去と現在が章ごとに綴られ物語が展開していきます。一人を主人公にせずそれぞれの人物を物語っていく手法が面白く感じられました。

ドラフト未指名の場面では清原選手を思い出してしまいました。あの時巨人が指名していたら今は変わっていたのか?18歳で体験した辛さを思いやると憤りを今更ながら感じてしまいました。覚せい剤を肯定する気はサラサラありませんが・・・。

物語は予想を裏切らない最後を迎え、あぁ良かったと嬉しくなり、愛すべき登場人物の今後の活躍までついつい応援したくなりましたラブ

 

19)原田マハ著『デトロイト美術館の奇跡』

2013年、かつて自動車産業で興隆したデトロイト市が財政破綻。市の負債返済のためDIA(デトロイト美術館)所蔵作品を売却するという提案が・・・。

DIAの所蔵作品であるセザンヌ《マダム・セザンヌ》を愛する初老の市民フレッド・チーフキュレータのジェフリー・調停人ダニエルの3人の思いが奇跡を起こす物語。

著者の原田マハさん、《マダム・セザンヌ》の大ファンなんだと読みながら納得してしまいましたニコニコ

 

20)垣谷美雨著『老後の資金がありません』

老後の資金っていくら必要なんだろう?他の人々はどれぐらい準備しているのだろう?このことは興味かつ重要な問題ですね。

この問題をどのような物語に仕上げたのか興味津々で読み始めました。

定年まで後3年の夫、長女、長男の4人家族の主婦篤子が主人公。

長女の結婚式に500万、舅の葬儀と墓で400万で、ただ今の預金1200万が残り300万に。その上夫婦共にリストラに・・・。

今の預金を1200万との金額設定が絶妙だと思いました。誰もが少し同情を持つ金額ですし、反感を持たずにこの物語を読み進めることができます。

自分だったらどう乗り切るだろうと篤子に思いをはせながら読み、最後はハッピーエンドで良かったと思える面白い物語でしたウインク

 

21)東野圭吾著『夜明けの街で』

図書館の返却棚に並んでいた図書で東野圭吾だから面白いだろうと思って借りました。

ガッカリでした。東野圭吾でもこんな面白くない小説書くのだ、明らかな失敗作ではないのかと思ってしまいました。

主人公の不倫物語。それも主人公の気持ちが不倫と本気をフラフラ行ったり来たり。途中不倫相手に関する殺人事件が挟まれ、結局不倫相手から別れを告げられるという結末。

何これ?感満載の小説でした。

 

22)中野京子著『中野京子と読み解く名画の謎;対決篇』

おなじみの中野京子さんの西洋絵画の解説本。

本当に面白い!

以前、印象派以前の絵画はすべて注文絵画。自分の感性だけではその絵画の本質は決して理解できないと教えられました。

絵画の本質と魅力を余すことなく教えてくれるのが中野京子さんの著書だと私は思っています。

今回は20のテーマに2作品を対比させ、40作品が紹介されています。あぁ本物が見てみたい目