3月の読書 | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

明後日はもう4月なんですね。

昨日今日の暖かさで桜が一気に咲きそうですね桜桜桜

忘れないうちに3月に読んだ本をアップしておきたいと思います。

 

10)連城三紀彦著『夕萩心中』

明治末期を舞台に男女の事件のその裏側の真相を物語にしたものが3編と軽妙なお笑い事件簿的なショートショートが3話を集めたもの。

小説の楽しみといえば、まずストーリー展開、そして登場人物のキャラクター、それと文体といえるでしょうか(*゚ー゚*)

連城三紀彦の小説は美しい文体に特徴があると言えます。特に<花葬>シリーズの3編『花緋文字』『夕萩心中』『菊の塵』は日本語の美しさを再確認させられました。

 

11)諸田玲子著『お順』上・下

勝小吉の娘であり、勝海舟の妹。そして佐久間象山の正妻お順。

もうそれだけで波乱の人生だっただろうと想像がついてしまう女性の半生記が描かれています。

その山あり谷ありの人生を力強く生き抜くお順の姿に喝采を送りたくなる小説でした。

幕末から明治へ混乱を極める時代の中で自分の意志を貫き通す生き方にはあこがれを感じてしまうことも!恋には盲目でとんでもない男に惹かれてしまう姿には苛立ちながらもお順の人間性を思ったりしました。

今まであまり興味を持ったことが無いこの時代。勤皇も佐幕も結局は暴行・略奪・殺人を繰り返す最悪の集団だったのだと思い知りました。

 

12)谷瑞恵著『木もれ日を縫う』

実家を嫌い母を嫌って東京に出てきた三姉妹(長女・絹代、次女・麻弥、三女・紬)。それぞれが自分と故郷を意識して切り離して生活していた。

ある日紬のもとに1年半前に行方不明になった母が現れる。面影に違和感を持った紬は、本当のお母さん?と聞くと山姥になったと答える母。2人の姉に相談することに・・・。

山姥とパッチワークをキーワードに民俗学者・柳川蓮太とパッチワーク作家網取翼がいいスパイスになって物語は紡がれます。

ナント!優しいいい小説なのでしょうかクローバー

広告のキャッチコピーそのまま使わせていただきますm(_ _ )m

“三姉妹と母の絆をめぐる切なく温かいミステリー”です!!

 

13)湊かなえ著『山女日記』

私が湊かなえの小説に感じるのは“暗・陰・冷”ですが、この小説は“明・暖・温”です。

湊かなえさん、こんな優しい小説書けるんや!?←人気流行作家に対して上から目線(/ω\)

「山女日記」とは山ガールが集うウェブサイトの名前。

この小説には妙高山・火打山・槍ヶ岳・利尻山・白馬岳・金時山・トンガリロが出てきます。

それぞれの山に少し悩みを持っていたり気持ちが沈んでいたりする女性が登山するお話です。

山に登ることで少しだけ気持ちが前を向く女性が描かれていて読後とても気持ちよくなります。

そしてそれぞれの山に登場する人物の少しずつの関係が絶妙で思わず唸ってしまいました。

面白かった面白かった面白かったヾ(@°▽°@)ノ