何か不思議な感覚にとらわれています。
寺地はるな著『ビオレタ』読みました。
面白かったかと問われれば、特に面白いところもなく
感動したかと問われれば、何も感動することもなく
最後はどうなるのだろうという興味も特にそそられることなく
でも読んでいる最中は決して不愉快にはならず、むしろ微笑ましい気分になってしまう。
そんな小説でした。
主人公(田中妙)が雨の中で失恋して大泣きしているところから物語は始まります。
その妙に声をかける大柄な女性が北村菫。
彼女は雑貨店「ビオレタ」を営んでいる。
ちなみにビオレタとはスペイン語で菫のことだそうです。
宝塚ファンの私にとっては、もう読むしかないでしょという感じで読み始めました。
この雑貨店「ビオレタ」の目玉商品がナント!棺桶!
棺桶と言っても、菫さん手作りの小さくてきれいで可愛いモノなんです。
さっとは捨てられないものをこの棺桶に入れてお庭の木の下に埋めてあげるということをしているのです。
妙はこの店で働くようになり、菫さんの息子・蓮太郎くんや千歳さん(蓮太郎の父親であり菫さんの元夫)と知り合い物語は進んでいきます。
大げさな展開はないのですが、ところどころでウンウンとうなずいてしまう妙の言動が良かったと思いました。
この妙がどっちかというと“あかんたれ”な女性であったことが私は共感できたのかもしれないですね(^^♪