都内の入試も2日間を過ぎました。昔は当日発表なんてなく,全ての学校が翌日以降の発表でした。だから2日目の試験に向かうときは初日の結果は出ていなかったんですね。子供が入試を受けている間にお母さんが発表を確認し,また受験校に戻り子供を迎える。だから二日目校の校門の前で,初日の結果を知りガッツポーズをとる子供もいればガックリ肩を落とす受験生もいる。そんな光景が一般的でした。
ところが,あれはいつくらいからでしょうか,各校が競うように発表日と時刻を早めたので今や,翌日以降発表の学校の方が少数派になってしまいました。
すると,今日この時点で二連敗している受験生もいるはずですね。その子とそのご家族はとても今しんどい思いをしているに違いありません。
塾に行けば,あっちこっちで「おめでとう」「良かったね!」というセリフが飛び交う。受かった子の目尻は下がりっぱなしです。塾の先生はというと,自分と話すときこそ沈痛な表情ですがその舌の根も乾かぬうちに受かった子とハイタッチなんかしてる… もう身の置き場がないです。
早い受験生はもう撤退を考え始めます。試験を受け始める前は,自分の番号が掲示板にないという事態がいまひとつ分からないんですね。頭のどこかでどうかなると思っている。しかし何度見ても自分の番号がない。それが二度続く。もうズタズタ,心の複雑骨折状態です。ご父母もそんな様子を見ると「頑張れ」とは言えない。もう止めよう,終わりにしよう,となりがちです。
でもちょっと待って。けっして煽る気はないのですがリーマンショック以降,同じ受験校で後の日程で受かるケースは明らかに増えています。2,3日の本郷が×で5日で合格。1,2日の吉祥が×で4日で合格。1,2日の攻玉社がアウトで何と特別選抜で合格など以前は考えられないような結果が毎年でています。これは,やはり受験生減少が原因でしょう。以前の常識とは逆で,後の日程ほど入りやすい,という学校が増えているのです。
粗い理屈に聞こえるかも知れませんが,今まで世の中で,受けないで受かった子はいません。
名誉ある撤退もいいでしょう。しかし,人生には,泥臭く這いつくばってでも進まねばならないときもあるのではないでしょうか。
片目のあいていない受験生。頑張れ。くじけるな!