NHK Eテレみんなのうた

『トゲめくスピカ』

うた/プルカドットスティングレイ

作作詞・作曲/雫

アニメ/神風動画

 

【キャラクターデザイン 鈴木 理】
【CGアニメーション 水野 貴信】

 

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◆やっと『鉄塔』や『バケバケNight!』に慣れてきたところだったのに、新しい曲になっちゃった・・・と落胆したのもつかの間。凄く感動しました。アニメーションなのか、曲なのか、歌詞なのか、何だか分からないけれど、感動していつも涙ぐんでしまいます。涙腺をグラグラ揺さぶってきます。

 

◆おそらく曲の感じや歌詞の意味を考えると、今まさに人間関係や恋愛でもやもやした気持ちを抱える若い世代の人に響く曲なのでは・・・と思うのですが、私のように学生時代を苦労した者にもかなり響いちゃってます。恋愛も友達付き合いも、きっとひとつも揉まれたことのない人なんていないでしょうから、そういう意味では誰にでもどこか、何かしら響いてしまうものかもしれません。

 

「この背中の棘が苦しくて」と歌いながら、アニメーションでは、「ぼくに気づいて」「ずっと見てるよ」「僕がいるよ」「大丈夫だよ」という温かなメッセージが込められているような気がして、震えてしまいます。

 

ああ・・・書いてるだけで泣けてくるわ~ん。

 

 

 

 

◆このアニメーションを、不可解ながらも勝手に解釈すると・・・

 

 

この主人公の彼のルアーには魂が宿っている。ついてくるイスや車のおもちゃ、時計、だるま・・・彼らモノにも魂(気持ちや存在する意味)があるんだよと言っているようです。

 

魔法陣みたいな線の向こう側にモノを入れているようなところは何だろうな・・・人との付き合いを表していて、モノや人をきちんと精査せずに「良い」とか「悪い」とか振り分けているような感じでしょうか。この後、全てを空にぶちまけて(開放して)いるところがあるので、自分の中の何かの殻を破ったということか、そういうの何も気にしなくて良いんだというメッセージのようにも思えます。

 

彼の周りをたくさんのモノがぐるぐるしている場面は、そんな「良い」とか「悪い」ものが周りには溢れている・・・その時も釣り竿を持っていることから、長い時間をルアーと共に過ごしていたんだ・・・というような気がします。

 

空にぶちまけて解放されたおもちゃや時計が元の持ち主に帰ったところ・・・集めた思いや人との関係を消化できたということでしょうか。でも解放されたおもちゃや時計の変化に気づくのは子どもなんですよね。この彼は20歳前後のような気がするので、そのまま持ち主との関係を悩んでいたわけではないんだろうな・・・何だろう。

晴々しい顔ではありませんが、ルアーと彼が視線を交わしています。どんなときも一緒にいたよね僕たちは、というメッセージに見えます。

 

でも、今度はコップを魔法陣の中に入れています。

そのあと、昔の彼のエピソードを思い出し、何やらルアーが怒って、でも攻めるに攻めきれず・・・という困った顔をしています。また同じことを繰り返すのか、また不安になってるの?僕がいるのに・・・という意味なのかな。

 

またぐるぐると彼の周りにモノがあふれる描写があり、ルアーが彼をツンツンしています。時間がたったらすぐに僕を忘れるんだね・・・思いだしてよ・・・ぼくはずっと君の側にいるんだよ・・・と言っているようです。

 

夜、ぐーすか眠っているルアーの方を彼が見ています。冷え切った夜のような心だった彼が、自分の側にルアーがいて、見守ってくれていたことに気づいたのだと思います。

 

旭がのぼり、陽がさしています。知らず知らずのうちに、大切なルアーまでも魔法陣の中に入れてしまっていたことに気づく彼。ルアーはもしかしたら彼の傷でもあるのかもしれません。傷すらも、痛い思い出すらも見方なのかもしれません。

 

側にいすぎて、すっかり忘れていたルアーの存在を思い出す。帰る家を見つけた・・・僕はもう大丈夫だよ。2人で帰ろう。一緒にいよう。一緒にいてくれてありがとう。

 

ルアーの蓑がはじけて元の姿に戻る。彼はルアーのことを思い出し、消化できたので元の姿に戻ったということでしょうか。ここの解釈も正直、よく分からないです。でも彼の気持ちとしては、「ずっとそこにいたのに・・・いっぱいいっぱいで、忘れていてごめんねもう大丈夫」で、ルアーのきもちは「待ってたよ」「側にいたよ」「ずっと心配してたよ」だと思います。

 

そしてまたいつものようにルアーを持って釣りをして、人生は今日も続いていく・・・。

 

このルアーは、そのまま彼を見守る「つくも神」のようなイメージでも良いのですが、きっと側にいる友達や家族、近所の人とか、そういう身近な人でも良いのかなと思います。もしくは、何よりも自分を知っているのは自分で、自分の中に答えがあるという意味で、自分の中の隠れた「自分」という解釈もありでは・・・と思います。

傷ついても、悲しいことがあっても、君を見ている人は必ずいるというメッセージだと感じました。

 

 

 

*初見の感想です。ご意見の相違や、時間が経ってから見返すとまた新たな解釈が生まれることもあると思いますが、とりあえず。そういう見方もあるかなぁ・・・という温かい目でご覧下さい。

 

 

 

 

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