BLノベル
『仁義なき嫁 淫雨編』
2019 感想
高月紅葉/紅葉屋本舗
ほぼただの感想です。本筋のネタバレは無いつもりでしたが、やはりまだネタバレ嫌な方は読まない方が良いです。そこはかとなくネタバレあります。
前回、『群青編』、凄いところで終わってて、仰け反りました。でもまた新刊読めて幸せです。あと2冊は出ると勝手に予想していましたが、まさかの第3シリーズ開幕とは嬉しいです。
●星花出てきたとき、ちょーテンション上がりました。ありがとうございます。登場時、こんなに大好きになるとは思いもよりませんでした。
●なんで〜!!って佐和紀が怒って、周平と言い争う場面。
そりゃ周平にだって言いたいことはあるでしょう。最初は、この言い争いがない状態で普通に致しちゃってるから、何か違和感あったんです。薄っぺらいというか・・・上手くいえないけれど不思議な違和感。え・・・それでいいのかな・・・と。でも何でなのか分からなかった。
もう一枚扉があって、そっちの部屋に間男(本命)がいるとか、星花登場とか、おいしすぎて・・・おいしいから何が違和感なのかよく分かってなかったけれど。周平は、佐和紀が出てったこと何とも思ってないん!それでいいの?っていう違和感だったんじゃないかと自分を分析。このとき周平は言いたいこと全部は言えてないってことになってますが、それでも良かったねって思います。俺がすてたけど何だよ!お前が黙って相談もせずに出てったんだろう、すてられて当然だろうが!あぁそうかよすてた俺が悪いよなぁ!(こんな言い方はしてません)って言えて良かったですね。これでこそ夫婦です。
うんうん。夫婦だ。夫婦だ。
そりゃすてられた佐和紀は辛いし、思い出がなくなって私(読者)も寂しい。どうか、支倉が半分くらいは・・・いや何か一個でも残しておいてくれないものかと願ってしまうけれど・・・でも、すてちゃって良かったとも思います。
それにしても周平さん、かわいい。佐和紀がいなくなって離婚して荷物全部捨てるとか、かわいすぎます。怒るな、捨てた荷物を惜しむなとは言いませんが、残された周平さんの気持ちを察してあげてよ・・・と思ってしまいますね。それでこそ佐和紀なんだと思いますが。
本当は、泣いてすがって、行くな佐和紀ー!なんて言うかわりに、あーこれは絶対佐和紀逃げるわーって感づいた時点でどこかに監禁しちゃうかわりに、黙って行かせて荷物を捨てるなんて、可愛いじゃないですか。周平、まじ可愛いです。
そうだよそうだよ、周平さん!もっと言った方が良いですよ。お前が勝手に出てったんだろう!お前が出てく事に気づかなかったら、黙って出てくつもりだったんだろう、ふざけんなこんのばかちん!て言って良いと思う。拗ねたいのはこっちですよね。本当にね。なのにそれでも周平から謝ってくるのを待ってる佐和紀。凄い。凄いとしか言いようがない。アッパレです。まるで「パンがないならケーキを食べれば良いじゃない」のあの人のようです(実際はただ我儘していたわけではなく、凄く良い母親だった面もあるらしいですが)。
もっと周平が言いたいこと言えるようにならないと、対等じゃないなって思いますね。佐和紀なんか何も遠慮せず(?)勝手に出てったのに。それでも愛されてる、許される、全て終わったらふつうに元に戻れるとか思ってるくらい傲慢なのに。実際そんだけ愛されてるという事実はおいしいのですが。
●岡村さん、体の関係もないのに、佐和紀がいなくなるとき声もかけてもらえなかったら、そりゃもう。俺は何のためにここにいるんだってなりますよね。俺はあなたの何なんですか、だよねぇ。
女の私でも、俺と佐和紀さんの関係はそんなもんだったのかーって打ちひしがれるの分かります。あんだけ落ち込んでたのも納得です。そりゃご飯も喉を通らないよ。周平には言わないことも、俺には言ってくんないと、俺の立場!!俺の立場ってもんが!!って感じですよねぇ・・・。それでも付いてくると思ってる佐和紀のきちくさよ。どえすだ・・・。でも私は「遅い、遅い、遅い」(『仁義なき嫁 群青編下』高月紅葉)で、全ては報われたと思ってるのですが・・・。でも今度はそこに関して横沢さんはあんま気にしてないがごとく、あんな一瞬の台詞なんて全然屁でも無いんだって感じで、隙あらば何かどっかにほころびがないか、小さなご褒美がないかと仕掛けている。凄い。こっちも相当、心臓に毛が生えてるとみた。そうですよ。男は「鈍感力」何度振られても仕掛ける。小さいジャブを何度も打つことが大切ですよね・・・岡村さん・・・涙ぐましいです。私だったらもう諦めちゃいます。
あそこ(『群青編のラストで』)で、佐和紀がちゃんと自分を待ってくれたいたのだと確信できたからこそ、大阪まで来ていろいろ奔走してるのだとは思いますが。忠誠心、凄い。ハチ公どころじゃない。
もう私は横沢となら間違いが起こっても良い。に一票です。なんか、いろいろ問題はあるかもしれませんが、作者さんなら上手いことやって下さる・・・気がする。でもどっかで「一穴一棒」って言葉を読んだ気がします。・・・ああ、岡村の思いは遂げられないんだ、かわいそうに。かわいそうだけど、その可哀想感がまた、今度は母性本能をくすぐってきます。凄い。岡村(横沢)という男の万能さよ。
どんなに光輝くミューズを見つけたとしても、自分が箸にも棒にもかからなければその人の人生に食い込むことだってできないもの。ぶっとんでる佐和紀というミューズを見つけた岡村さんだけど、ちゃんと自分の力を総動員させて佐和紀の役にたててる。それってすごい幸せなことですよね。
◆「イヤだ。・・・・・・こんなことなら、来なくてもよかったよ。周平ともそれきりだったのに」(『仁義なき嫁 淫雨編』2019高月紅葉/紅葉屋本舗)
ど、どの口が言ってるんでしょうか。もし来なかったら・・・えーと、そんな展開、想像もできないです。でも、この拗ねっぷりというか、強がりというか、こういうこと言えるのも、もう許している証拠でしょうか。素直じゃない上にもの凄い我儘。我儘な女王様じゃないか、佐和紀さん。そこが良いのかもしれない・・・と改めて思いました。この我儘女王様がケンカ激ツヨな所が最高なのかな。我儘女王様がベッドでグズグズにされちゃうのも最高です。
花牡丹のサーシャじゃない(この名前は素敵だと思ってます)。私の中では我儘女王様の佐和紀さんですよ。
◆「お嬢」さん、出てくるとは・・・これもいつか読みたいと思いつつ、まだそこまで佐和紀に関わってないから、まだ良いやって思ってましたが。遂にここまで絡んで来たら読まずにおれない。そういえば私は最初に読み始めたのが『仁義なき嫁』シリーズだったので全ての他の作品が『嫁』のアナザーストーリー、スピンオフ扱いだと認識しちゃってるのですが、作者さんのツイートでは『”嫁”も”刑事に~”もスピンオフなんです』的なこと仰ってましたね(↓)。でも、私の中では、やっぱり『嫁』が本編なのです。
高月紅葉@momiji_k
仁嫁と刑事に、どっちがスピンオフかと問われたら、どっちもなんですよね。 そもそも大滝組の初出は、別シリーズの脇役として出てきた悠護の設定。 そのあと、「インテリヤクザと甘い代償」で使って「仁義なき嫁」へ。 どちらも一作で終わる予定… https://t.co/2wXg0X7O9c
2019年12月11日 21:19
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◆「紅蓮隊」はどうかと思う。やっと「あや」呼びに慣れてきたところだったのに。
◆直登の子どもっぽさは、『オーマ』を思わせる。本当に誰も何も教えてくれずに育ったんだな。「大きな子ども」の可愛さよ。この子、幸せになって欲しい。
◆直登が佐和紀のこと性的に好きだったらどうしようかって私もちょー悩んでたのに、そうじゃなかったなんて。なんか残念なような、ほっとしたような・・・。いや残念だけど、ほっとしてます。どっちやねん。ほっとしてます。はい。
◆何かの漫画で「情の深さを失くした君なんて君じゃない」っていう台詞あったんですが、そのフレーズだけ覚えてて・・・おそらく少女漫画で・・・何だっけな。まさしく佐和紀もそんな感じで、まんまと直登と木下くんに情が移ってしまったんですね。これはしょうがない。この作者さんの話、ぜんぜん続きがよめないけど、これだけは「たぶんそうなる」って思ってました。
◆全くこの喫茶店は・・・紅茶がマズいって・・・ありえないですよね。どんな出し方したらマズくなるんだろうか。普通に淹れたらそれなりの味にはなると思うのに・・・しかもミックスジュースの方が果物切ったりいろいろ配合したりして手間がかかってそうなのに。佐和紀の服のセンスが壊滅的なのに和服のセンスや人のものを見立てるセンスはピカイチみたいな・・・作者さんの独特なセンス光ってます。
◆前回は、話を甘くみていました。どうせ2~3巻後にはまた元のさやにもどって一緒に離れで・・・って思ってたけど。そんな雰囲気じゃないかもしんない。つらたん。
でも続きを書いて下さって本当に有り難いです。
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以下、まだ未読の方は読まない方が良いです。
◆今回の論点は「なぜ荷物を捨てたか」だったんだ?これが、そんなに大きな問題になるとは思ってませんでした。
全部置いて出てったんだから、そこはどうしようと周平に任せる...みたいな男らしさがあるかと思ってました。別に捨てられたなら捨てられたで良いやって言うと思ってました。
なのに、この怒りようといったら。佐和紀も、周平のこと大好きですよね。今更だけど。
えーと、周平が荷物を捨てた理由は、ただの寂しさだけじゃないかも?ネタバレだと認識して書きませんが。
そこまで深く深く考えてる周平さんだから、もちろん素敵だけれど。でも、そんな大人の余裕とか無く、寂しさでどうにかなりそうな周平さんが見たかった気もする。いつぞやのカフェで、帰って来てくれって弱さを見せた時みたいになりふり構わず、荷物を捨てなきゃいられなかった、という事実だけでよかった気もする。だって、佐和紀がいなくなったのは、それくらいの痛手なはずですもの。
変に大人の余裕(気遣い)見せるんじゃないと思う。なりふり構わず、泣いてすがってみてよーとな。毎日、佐和紀が残していった荷物を眺めて感傷にひたったりしてな。でもそうなったらなったで、「誰??」て思うのかな。うーん。分からん。
でも最初の口喧嘩のところ、少しだけ垣間見えた周平の弱さが、もう、えも言われぬ気持ちよさに興奮しました。
ちなみに今夜の夫との会話。
私「あのさー私が荷物とか全部置いていきなり帰って来なくなったら、私の荷物、捨てる?とっとく?」
夫「戻ってくるなら置いとくし、戻らないなら捨てる」
私「・・・・・・(そりゃそうだろう。でも、そういう正論を聞いてんじゃねぇんだよ)」
愛が爆発してる2人の苦悶を理解して欲しかったけど、説明できなかった。ていうか、それ以上聞いてくれなかった。なんで夫が腐男子じゃないのか・・・そこだけはミスったと思う・・・ことがある。
◆これから予想
このままどの辺り(何巻)まで遠距離恋愛、続くんでしょうかね。ちょちょいと解決して横浜に戻ってくる感じじゃない・・・ですよね。このまましばらく遠距離なのかな・・・どうなるんだろうほんと。初期の『進撃』並みに続きが読めません。「これ、絶対こうなるやーん」っていう展開が全く読めません。あかりとせりなが登場してくれたらうれしいな~とか思ってた自分、何だよって思うくらい、それどころじゃなくなってますね。
いつかどこかでまた会いたいわー
そういえば、何巻か前で引き合わされた周平の「お友達」たちも、どこかでキーマンになるのでしょうか。でも全く気配すらない。え、気配ありました?私は気づかなかったです。それも楽しみにしています。
だいぶ先の話ですが・・・これ、関西の問題が解決して佐和紀が横浜に戻ったら、どうなるんでしょうね。またいろいろ買い物したり、一緒に買い集めたり・・・一つひとつ始めからやり直していくんでしょうか。どこに住むことになるのかな。周平は別組織に行くんだろうし、もう離れには住まないのかしら。
新刊読みたくて、3月のJ庭は行かないつもりで同人誌買ってみたけど、ミスったかもしれません。もう少し...2~3巻出てから一気に読みたかったかもしれません。焦れったいわー第3部始まったところだから、まだまだ、全然これからって感じなので、仕方ない。仁嫁3部『序章』ジャーン!ですよね。ワンス・アポン・ア・タイムです。
えーなんか、ほんと物語がすごいことになってて、どうなるんだろう。
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