『百と卍』
紗久楽さわ/
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※ただの感想です。この本格的な漫画を読んで感動し、本格的な考察をお求めの方は「戻る」ボタンで戻った方が良いかもしれません!
◆あらすじ
時は江戸時代・後期。真夏の蒸し暑くせまい長屋で、熱い吐息交じりにまぐわう男がふたり―。 客に男色を売った男娼の総称=陰間(かげま)。 元・陰間の百樹(ももき)は、ある雨の日に卍(まんじ)に出逢い拾われた。陰間の仕事としてではなく、やさしく愛おしく、恋人として抱かれる瞬間はまるで夢のようで、そんな日々に百樹は幸せでいっぱいなのだった。たとえ過去に、どんなことがあったとしても。 伊達男×陰間あがり。〈Amazonさんより抜粋〉
◆本当にただの感想
クッソ面白かった!!!です。
卍兄がかっこいいし、百が可愛い。卍兄の何とも言えない色気!!!この目が、この体の線が・・・この台詞が・・・全てが男前です。百が、健気で可愛くて、しかもちゃんと「男」でいようとしている。可愛い。
「火事と喧嘩は江戸の花」といいます。が、火事の鐘の音が聞こえても、卍兄は慌ててすぐに逃げたり致しません。これぞ江戸ッ子って感じの、卍兄の余裕っぷり。男前すぎる。(江戸時代がどうだったかを、実際に見たことないですけどね!)
レビューにて作者さんを「BLにはもったいないくらいの」と仰ってる方がいらっしゃいますが、確かにそれくらい凄い。でもこの完成度と熱のある作者さんにこそ、もっとBLを描いていただきたい!!と思わずにはいられません。
詳しく感想書きたいんだけれども、私のブログを一度でも読んだことのある読者ならお分かりの通り、難しい文章が苦手なんだ。江戸時代の感じが本格的すぎて、簡単に感想書けないwww
感想レビューじゃないんかーいって・・・すいません。でもとにかく、面白かった!!とだけ言いたいんだーいもうどうせ皆さんが素晴らしい感想を書いて下さってるから、良いですよね。
レビューにて「雲田はるこさんに似てる」・・・と書かれてる方がいらっしゃいますが、そうそう!!そうだった!!私も最初はそう思ったんです。でも、だんだん引きこまれて、どこ辺りからか、すっかりそんなのぶっ飛んでました・・・んでよく見たら全然違う
百「ずっと'しあわせ'に生きてきた子ぉに見えるんや」
もう、胸が締め付けられました。
辛いことばかりなのに腐らず生きてきた。恋した兄と添い遂げることもできず、それでもこんなに可愛くて健気に今の幸せを噛み締める百。まるで卍本人に、卍に出会えた運命に、今まで生かしてくれた兄や陰間の同胞たちに感謝でもするかのような晴れやかな顔。
込み上げるものがあります。
卍は物凄いかっこいい色男ですから百が惚れるのは通りですが、さて、卍は百のどこに惚れたのか。やはり、可愛さと健気さに絆されたのでしょうか。
卍の過去も色々あったようですし、卍が百に惚れたきっかけも具体的に出てくると嬉しいですね。
※江戸時代だから仕方ないけれど、おいどを解すのに、はじめ硫酸銅を使ってる??劇薬だよ(T▽T)怖い怖い...百の体が本気で心配ですが、そういう江戸時代の生活(性活)事情が分かるのも楽しいです。
やっぱ短命なのかな。でももう、硫酸銅による中毒症状が現れる前に他の病気で死ぬかもしれんし(どれくらいが致死量か知らんけど)、火事で...とかもあるかもしれんし。江戸煩ひ(脚気)になることもあるやろうし。でも、宵越しの金は持たないその日暮らしの江戸っ子だから、まあいいかってね。
あと、「おいど」懐かしい。
私としては、「おいど」といえば伝説の朝ドラ、『あさが来た』です!!波瑠さん、素晴らしい女優さんですよね〜『あさが来た』大好きだった。私、朝ドラ観る習慣無いですからね(朝弱いから)、あの時だけ観てた。
最後に、こういう時代モノで私が始めて読んだ漫画といえばNL作品になりますが、おそらく安野モヨコさんの『さくらん』だったと思います。思春期の頃、あれを始めて読んだときも衝撃を受けたけれど、こちらも凄かった。
春を売っていて幸せな人はなかなかいないかもしれないけれど、別に普通の仕事してたって苦労はあるしね。
それでも皆生きてんだなってなったもんです。
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