VIPシリーズ

あらすじ

感想 

⑦⑧

 

高岡ミズミ/佐々成美/講談社

 

 

 

 

 

 

●●VIPシリーズ 順番

 

○第1シリーズ

1巻「VIP」 2005

2巻「棘」

3巻「蠱惑」

4巻「瑕(きず)」 

5巻「刻印」

6巻「絆」

7巻「蜜」

8巻「情動」

9巻「聖域」

10巻「残月」 2016

 

○番外編「桎梗」

 BMオーナー宮原さんの話

 

○第2シリーズ

1巻「兆候」 2018

2巻「熾火」 2018

 

連載中

 

○高岡先生による番外編同人誌 

 VOL.1

 VOL.2

 

 

 

●7巻「蜜」

 

 

 

 

 

 

4部作の完結巻、起承転結でいうと「結」なので、まったりラブラブ甘アマです。

 

※以下ネタバレあります

 

 

○あらすじ

今回の事件について顛末を三代目に報告する久遠。

三代目は引退を考えていると切りだし、久遠に亡き木島の娘である若菜との縁談を持ちかける。

薬による禁断症状の山を越えた和孝は、自宅に戻って禁酒しながらBMで働いている。

そんな和孝の元へ上総の幼馴染、谷崎がやってきて、久遠に縁談が持ち上がっていると告げ口し、酒と週刊誌を置いていく。

意地で仕事に行く和孝だが、まだ監禁されていた時の夢にうなされなかなか眠れない日が続く。

存在をちらつかせるだけでイラつく父親から義母に会って欲しいと言われ、不安定に拍車をかける。

全然眠れず、食べられていないことが久遠にバレ、強制的にBMを休まされる。

縁談のことも気になるのに意地を張って何も言えないまま、フラッシュバックでボロボロだった和孝は久遠に強引に抱き潰される。

和孝が寝ている間、沢木に任せて若菜の所へ向かう久遠。自分の体の無数の痣や傷を見せ、自分には相手がいると匂わせ、若菜を綺麗に諦めさせる。

和孝の元へ戻り、コンビニで買ったカステラを手ずから食べさせる久遠、大人しくそれを食べる和孝。互いの家のことを話し、温かな甘い時間が流れる。久遠も世話になっている医師の冴島宅で療養することに落ち着く。

 

 

 

 

○感想

 

津守君・・・レンジなしの蒸し器のみで調理って…底が知れない男や。器用もここまでくると、逆に謎な私生活!!!

 

 

 

「外し・・・手、外して」

 

「必要ないと思うが?」

 

久遠さん!!!かっこよき。ご馳走さまです。

 

でも、ベルトで縛るって・・・セオリーだけど、萌えるけど・・・・でも・・・

 

BLに限らず少女漫画でも幾度となくベルトで縛るシーンを見ていっつも思ってたけど・・・

 

ベルトって手が縛れるくらい柔らかいものだっけ????

 

それが気になって気になってwwww

 

いや、和孝の部屋にロープ常備してるとか恥ずかしいし、久遠さんが自分で持ってきたら誰に買わせたんだってなるし、久遠が自分で和孝を縛る紐を買うとか恥ずかしすぎるから良いんですけどね!!!!

 

 

 

ラスト抱き潰された後でもまだやる2人w

 

和孝「どれだけあんたのこと好きなんだろうって、自分でもうんざりするよ」

 

久遠「さっきは嫌いだと言われたが」

 

 

ひぃいいいい・・・

 

甘甘・・・スクラロース(砂糖の600倍の甘さ)ここにも!!!

 

 

 

 

 

 

「日陰の身だって?」

 

久遠さんの縁談・・・リアルですよね。さすが高岡先生です。和孝のストレスを煽る材料に「久遠の縁談」を持ってくるあたり・・・本当に神です。

 

○ここでちょっと意地悪な妄想

 

 

実はここで思いついた。

…そんなの読者は許せないかもしれないけど、高岡先生がうまいことやって下さるなら、ありかも…と思う展開がありまして。

「和孝は完全に日陰の身になる」という未来です。

 

あの胆の据わった若菜なら、「私は久遠さんの助けになりたいんです」と、100%エロ無し子無し(沢木でも誰でも養子にしても良いし)の結婚を申し出てきてもおかしくないな・・・と読んだ次第でございます。

この話では、「日陰の身」といっても、そんじょそこらの「遊びの浮気相手」ではなく、和孝の方が「本命」なわけですが・・・。

名目上、組の中の「姐さん」という立ち位置だけ背負い、若い衆の面倒をみる若菜ですが、久遠の心と体は和孝のもの。

 

で、「私は好きな人(和孝)のことも承知してます」とか「あなた(和孝)の久遠さんを奪うつもりはありません」と、しっかり割り切って、和孝とも仲良くしようとして、組の為に!!!と尽力してくれる気概を見せてくれる・・・ちょっとおいしいなと思いました。

完全なる「組を盛りたてる同士として」の立ち位置に徹してくれたらアリかな、と。

何なら和孝と久遠を応援までしたりしてね。和孝も、そんな若菜をきっと嫌いにはなれないと思います。

 

 

最近どんどん大人になってきた和孝ですから、無きにしもあらずなのでは・・・と邪推&妄想してしまいます。

久遠さんとの関係も、どんどん甘アマに・・・そして親密に…成長していますよね。このまま成長したらこれもありなんじゃ・・・と思ってみたけれど「その役」は上総がやっているし、やっぱ無い・・・のかな。

 

あーやっぱ改めて、久遠が誰かと婚姻関係にあるなんてやっぱ切ないか・・・婚姻届は出さずに「内縁の妻」にしては、なんてのも考えましたが、組の若い人たちへの示しがつきませんよね。「内縁の妻」という立ち位置でさえ和孝は嫌かもしれないし…どこまで大人になれるのか分からないけれど。いや、やっぱ私も受け入れられるかどうか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●8巻「情動」

 

※ネタバレあります

 

「跡目争い編①」って感じです。

 

○あらすじ

冴島のところで規則正しい生活(花嫁修業)をし始めて5日。久遠とは毎日電話をかけあう仲に。

三代目引退の件でバタバタしている久遠とは距離を置いているので、和孝には沢木がぴったり張り付いている。

久遠に手製の冴島直伝・味噌汁、卵焼きをふるまう和孝。久遠が跡目候補に挙がっていると谷崎から聞き心配になる和孝。

アパレル会社社長の同伴で、”久遠”と呼び捨てにするヤクザっぽい男がBMにやってきて、和孝は谷崎に「そいつは久遠と同じ跡目候補の三島だ」と教えてもらう。

三島の我儘をきくしかない久遠は、2人でBMにやってくる。

腹違いの弟のお陰で久しぶりに実家に戻った和孝。弟のために、手術を控えた義母に優しい言葉をかける。

今回の後目争いは完全に和孝は蚊帳の外。ニュースでばかり久遠の状況を知り心配がつのり、上総には心労の久遠を側で支えるために和孝が「女だったらよかったのに」とまで言われる。

久遠や谷崎が冴島宅で世話になったと聞き自分も!と言いだした宮原を連れて家に戻る和孝だが、久遠からの呼び出し。すっかり意気投合した宮原と冴島を残して久遠宅へ向かう。

 

 

 

○感想

 

「もっともそっちの兄ちゃんがお前のイロだってんなら話は別だが」

 

三島の科白・・・ご馳走さまです。こういう科白にいつも胸をときめかせていただき、顔をニヤケさせていただいてます。

第三者から二人の関係を淫猥に語られることの高揚感。BLのだいご味・・・と思ってます。

 

 

今回はすれ違ってるというわけでもないえですが、「しばらく会えない」という物理的な距離が凄く切なかった。胸が痛かった。ちょっとしんどかった。そんなときに潤いをくれるのが「三島のイロ発言」と、和孝を心配する谷崎さんや宮原さん、沢木君の存在ですね。

 

久遠だけでなく、交友関係、信頼できる人がどんどん増えてって、料理もできるようになって・・・回を追うごとに着実に大人になってきてるのが分かります。嬉しい変化だなあ。

 

 

長編の醍醐味ですよ、主人公とカプの成長が見られるのは。

 

本当に嬉しい。

 

 

 

 

 

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