初詣に深大寺へお参りされた向きも多かろう。山門をくぐると正面に本堂、左手には元三大師堂と釈迦堂――。この見慣れた景色が少し変わるかもしれない、というお話。
昨年末の新聞に深大寺の一面広告が載った。深大寺の開創一三〇〇年を記念して「白鳳院」を建立するから寄進をお願いしたい、落慶は来年二〇二三年を目指している、という内容だった。
正式名称は「天台宗別格本山浮岳山昌楽院深大寺」。深大寺という名は「深沙大王に由来しており奈良時代天平五年(七三三)に満功上人が開山した」とされる。
新しいお堂の落慶は来年ということだから七三三年の開創から一三〇〇年には十年早い。が、周年記念の事業とはそういうものだ。
白鳳院に安置される本尊は、二〇一七年に国宝に指定された深大寺銅造釈迦如来椅像(本紙二〇一七年四月号=第一九〇号に既載)。この東日本最古にして、都内にある寺院で唯一の国宝仏をこれからも大切に守っていこうというのが、新堂建立の主旨だ。
寄進は深大寺の檀家でなくても受け付ける。このまちの一大行事に一役買ってみようか。
(『そよかぜ』2022年1月号/このまち わがまち)