あと1か月で今年が終わろうとしている。毎年思っているが、年々速くなる時の流れには恐怖しか感じない。

 

この一年何をしてきて、何を達成してきたんだろう。思い出すために手帳をめくる。最後のページに、今年の1月に立てた目標が書かれていた。30個くらい書かれているが、現時点で2個しか達成できていない。がっかりする一方で、「そりゃそうだろう」とも思う。手帳をめくるまでどんな目標を立てたかすら忘れていたし、日々目標達成を目指して生きていたわけでもないからだ。結局手帳に書かれていたのは本気で達成したい目標ではなく、「こんなことが叶ったらいいな」「これが手に入ったらいいな」という願望でしかなかった。

 

だから決めた。来年は本当に達成する気のある目標しか立てない。これまで目標は多ければ多いほどよく、「○○ができるようになったらいいな」「○○を手に入れられたらいいな」と、足し算で人生を考えていた。しかし、あれもこれもは無理なのだ。キャパシティが決して大きくはない自分ならなおさらなおこと。いま必要なのは、足し算ではなく引き算――、いくつかある選択肢のなかから本当に必要なもの、欲しいものを選択し、それ以外をバッサリ捨てる覚悟だ。


いままで選択することから逃げてきた。未来にはできるだけ選択の余地を残しておきたかったからだ。けれども、選択肢は時間の経過とともにどんどん減っていく。なにを選んでも、選ばなくても。だからこそ、選べるうちに選ばなければ。未来の自分が後悔しないように。

 

選ぶことは捨てること。世間では必要だと言われているけれど、自分には必要ないもの。本当は断ち切りたい悪習慣。手放せば楽になれる執着心。それらを捨てれば捨てるほど、きっと新しいものが入ってくる。年越しまであと1か月。いらないものを捨て、できるだけ身軽な状態になって新年を迎えたい。

 

マリエ・アントワネット