10月20日(日)14時の回を観てきました。
場所は四谷三丁目にあります三栄町LIVE STAGE。
作品は三栄町LIVE×演劇ユニット愚者愚者第ニ回公演『愛執罪。』(B班)
坂城 君さんが出演されていたので観てきました。
今回こちらの場所での観劇は初でした。
13時30分近くに劇場に到着。
階段を下りて地下の受付で3500円を支払いチケットを受け取る。
席は自由席だったので前から3列目の左端の席に座る。
舞台上には中央奥側に木で出来た長椅子のようなセットと手前にはボックス型のテーブル、左側にはバーカウンターのようなセットに白い椅子が1脚置いてある。
14時過ぎになり舞台の幕が上がる。
上演時間は約1時間50分でした。
ここからはネタばれが含まれますのでまだ観ていない方、内容を知りたくない方は読まないで下さい。
以前劇団のメンバーとして脚本を書いていた藤井誠(坂城 君さん)今はサラリーマンとして働き彼女でもある吉原真由(蒼木鞠子さん)と過ごしていたが彼女との関係は深いものではなかった。
そんなある日、黒川航平(小島祐介さん)が経営するバーで久しぶりに劇団メンバーでもある富岡裕介(北中僚介さん)と矢島亮太(アライジンさん)と再会、昔の劇団時代の話をして藤井は今の劇団の様子も聞いていた。
そして真由の弟でもある吉原陸(藤主税さん)とも久しぶりに会い陸は演劇に興味を持っている事を富岡や矢島に話をする。
家庭教師のバイト先で林田家にやってくる真由だったがそこで林田奈津(元女咲紀さん)と奈津の母親でもある林田恵(夕花里咲さん)の関係に何かある事を感じていた。
一方で学校で林田奈津と宮沢茜(安井茉穂さん)が話をしている前に三浦海斗(金海用龍さん)がやってきて奈津に嫌がらせをする。それを止める茜だが奈津の母親でもある林田恵は薬物中毒になり警察に逮捕された経歴をもっていた。
そんな母親と奈津が許せない気持ちがあったのは自分自身も父親がギャンブル狂でアルコール依存性をもち暴力を振るわれていたから。
数日後再びバーを訪れた誠、信じても人に裏切られるそんな気持ちを見透かされたようにバー店員でもある航平は薬(薬物)を手渡す。
そして自分の弱さに負けてドラックに手を出してしまう誠だったが…
薬物をテーマにした作品でそれに溺れていく人間の弱さ(孤独感)の隙間から徐々に感染していくような描写はいつ自分に降りかかるかもしれないという警告の意味を含めたものになっていて。
人間の心の弱さや人を信じる心の大切さを見せつけるような演出も心を鷲掴みされるような感じでズンと伝わってくるものがありました。
DVで苦しめられていて自殺にまで追い込まれるそんな描写も今の社会では多く存在する出来事でそれも含めたある意味ノンフィクション的な演出も心に鋭く突き刺さり。
重い作品ではある中で作品にグッと引き込まれて1時間50分あっという間に過ぎたそんな作品でした。
ラストシーンもまた衝撃で薬物は感染していくんだなと思ったところもありましたね。
坂城 君さん演じる藤井誠は以前劇団に所属し脚本を担当。自分が経験したものを作品にした『母に抱かれて』という作品を書いた後はスランプになり劇団を辞める。
幼少期に母親が父親にDVを受けていた事を見ていたその後、誠を置き去りにして自殺してしまった母親の事に自分を裏切ったという思いが今でもつきまとい人を信じられなくなり深く人と関わり合うことをやめてしまう。
それが原因で真由との関係も崩れていく。
そして弱くなった心の隙間に入り込んでいき薬物に取り込まれていく精神共に崩壊していく熱を帯びた演技に圧倒されました。
今までいくつか坂城さんの作品観せていただいていますけど今回の役どころは身を削って演じられているので新たな一面が垣間見られたと思います。←普段ムードメーカー的な役が多い中での今回の役は見応えもあります
バーで働く黒川航平が林田恵の元旦那である事や他の出演者それぞれの伏線的な人間関係みたいなところも注目してみてもらえるとより深く作品を味わえるのかと。←恵は薬物中毒の後遺症で鬱病になりそこでも薬を飲まなければいけないという描写もまた逃れられない部分
出演者の方々ありがとうございました。
東京公演は10月27日(日)まで大阪公演は11月7日(木)から11月10日(日)までインディペンデントシアターにて上演されますので気になる方は是非。
最後まで読んでいただいた方もありがとうございます(o^∀^o)