10月18日(木)19時30分の回を観てきました。






場所は大泉学園にあります大泉学園ゆめりあホール。









作品は(公財)練馬区文化振興協会 舞台芸術支援事業『わたしの、領分』






福永マリカさんと宮原奨伍さんが出演されていたので観てきました。





今回が初日公演になります。←劇場も今回が初めて





19時過ぎに劇場に到着。




エレベーターで6階に上がる。





劇場入口でチケットの半券を切ってもらい中へ。





劇場内で当パンを配っていたのが以前朝劇下北沢×松澤くれは『夜に生きて、』に出演されていた室田渓人さんでした。





劇場内に入って席を探す。





今回はC列3番の席でした。




前から3列目のやや中央寄りの席でした。




舞台上には円を描くようにして積み木やぬいぐるみが置いてあり中央には出演者でもある榎あづささんが天井から垂れ下がっている6つの赤い帯状もので手首が縛られている舞台セットの一部のような感じ。←時に少し動いてみたりしていました





開演近くになり作演出を担当している松澤くれはさんが舞台前に松澤さんの作品ではお馴染みの前説『携帯電話の電源は必ずお切り下さい』という話。




この作品は静かなシーンが多いのでちょっとした音でも世界観を損なうそんな作品でもありますから。





19時30分に過ぎに舞台の幕が上がる。





上演時間は約1時間35分でした。






ここからはネタばれが含まれますのでまだ観ていない方、内容を知りたくない方は読まないで下さい。




療育センターで発達障害児の面談をする若き心理士萩野はるか(福永マリカさん)療育センターで共に働く大井山(江幡朋子さん)原(宮原奨伍さん)川上(早山可奈子さん)ドクター(坪内悟さん)




Aくんの母親(真嶋一歌さん)Bくんの父親(山田健太郎さん)母親(三木万侑加さん)とも面談を重ねていく。



萩野と対立するセラピスト(雨宮慎太朗さん)




疲れている萩野をそっと見守る夫(五十嵐啓輔さん)以前子供が出来たが流産してしまい今でも子供が欲しいと思っている夫。





萩野はもう子供は欲しくないという気持ちを抱いていた。




そんなある日以前療育センターで通っていたCくん(松本旭平さん)が障害事件を起こし『自閉症をめぐる問題』に発展する事になるのだが…





自閉症問題をめぐるそれぞれの人間模様が描かれている作品でセットが母親のお腹の中にいるようなイメージもあったり。




音響も水をイメージするものだけを取り入れていたりしてシーンによって見せる花の映像や渦を巻いなようなイメージの映像も印象的。





セリフだけでなくそれぞれの感情がかたちとなってあらわれているシーンも目に焼き付いたそんな作品でした。




話の内容的には重い話でもありますがもし身近にそんな人たちがいたとしたらどう接すればいいのかと思うところもあって。




内側と外側からの生きづらさを感じ取る事が出来た作品でした。




福永マリカさん演じる萩野(はるか)は療育センターで働く心理士2年目でどことなく頼りなさげでもあり、でも相手の為に頑張ろうとしている感情が見えるそんな役柄。




一度妊娠をして流産をしてしまった経験もあり夫から子供が欲しいという言葉に悩んでいる部分も。




周りの人たちから強い口調で責められているシーンもあったりしてそのあたりは見ていて辛さも感じたりするんですけど。





喋るシーンでもたどたどしさを感じたり何か一つ一つ考えながら話しているシーンがあって少し違和感みたいなものも感じていて。





夫とのシーンで感情がコントロール出来なくなってしまい取り乱すシーンがあるんですけど。





あの時にこの女性もまた『自閉症』で普通に生活しようとしているけどあるきっかけでその感情がコントロール出来なくなるんだなとそこで違和感の意味がわかって納得出来ました。




『自閉症は治すべき病気ではなく、支援すべき個性なんです』というセリフの意味も自分も支援されてここまで来れたいう気持ちもあったのかもしれません。




ただ実際は厳しいところもあって風当たりもあるそんな部分が『生きづらさ』に繋がっているんだと思えたそんな役柄なのかと。





感情を押し込めたり吐き出したりするシーンは見ていて凄さも感じていて表情もそれによって変化していくところもこの作品での見どころでもあると思います。




自閉症の人間がもし子供を産んだら子供も自閉症になるんじゃないかという不安があってそこが一歩踏み出せないでいるところでもあって…ラストのあのシーンが大丈夫だよというわずかな希望の光が見えたそんなシーンだったような気がします。




心理士の衣装も普段他の作品では観る機会がなかったので良かったです。←ライオンの絵がポイントですね





榎あづささんは自閉症の子供の役から色々と演じていますけど特に注目する部分では萩野の母親役というのが個人的には印象深くて。





最後のシーンではマリカさんが『自分の母親のようになれない』というセリフのやり取りに対しての優しい気持ちで受け止めているところが印象に残っていて。




このあたりのシーンも注目してもらいですね。





宮原奨伍さん演じる5年目の心理士は真面目に自閉症と向き合おうとしている役柄で。




その真面目さゆえに対立してしまったりするんですけど。




感情的になるシーンも印象的でした。





奨伍さんはマリカさんとはあまり共演経験が少なかったと思うのでそのあたりの掛け合いも個人的には好きだったりします。






真嶋一歌さん演じるシングルマザー役も時に感情的になって萩野を責めるシーンもあったりするんですけど…それは自分の子供を思っての事であり。




マリカさんとも今回で3回目の共演でそれぞれ違った役柄を観ていたところもあったので今回の役どころもまた見れて良かったです。





江幡朋子さん演じる大井山の独特なセリフ回しはその中に優しさも感じられてみていてホッと出来るところもありました。





この作品2回目に観る時にはまた違った印象で観れるような気がします。





出演者の方々ありがとうございました。





10月21日(日)まで上演していますので気になる方は是非。





最後まで読んでいただいた方もありがとうございます(o^∀^o)