ある日の早朝、配達の荷造り中に若い男の子がやってきて言った、「トマトを売ってください」。
彼は近所に住んでて、以前に店頭に並んでたのを見て食べたいと思っていた、と言う。開店前に珍しいなと思いつつも嬉しくなって分けてあげた。
翌日、今度はご近所の主婦が同じ時間にトマトを買いに…。
彼の方は仕事か遊びか判らんが朝帰り、呑んでたのかも、主婦はすぐ近くなのでそのやり取りを聞いていたのかも。
普通に考えればそんなトコだけど、その時の自分は「使者が来た」と思った。
何処からの使者なのか、何を伝えに来たのかは判らないし、実際使者なのかは大して重要ではない。
でもそこで自分の思考が最近留まっていたなーと気が付いた。毎日のルーティンワークに流され、新しく何かに気付くという作業を忘れていた。
平凡な日常の中にも自分を気付かせてくれる出来事や瞬間があるし、特別何かをしたから得るものでもない。そんな些細な出来事をヒントにして、仕事やライフスタイルなどを考えるきっかけだったりする。
飛び込み営業が来ても門前払いはしない。うちに「飛び込んだ」理由が何かあると思うから。彼らから何かを得るのか、自分が与えるのかはその時々で違うから楽しみでもある。
普段いらっしゃるお客さんも自分にとって大事な「使者」、単に売買の関係だけではなく、互いに何かを与えられる関係にまでなれば良いなーと思っております。
使者ではないけど、息子の友達が作ってくれた開店祝いの大根人形
