日本におけるシルバメソッドの普及に大きな役割を果たした瞑想家に山田孝男先生(1942~2003)が居ます。
山田先生のシルバメソッド関連の著述には、ホセシルバの『潜在能力開発法』の訳業(1980年)や、1990年に日本実業出版社から出た『瞑想法で心を強くする』がありますが、現在はどちらも入手困難な本となっています。
今日ご紹介する『瞑想のススメ』は、山田先生の代表作と言って良い本で、日本で書かれたラージャヨーガの本としては指折りの名著として長らく求道者を裨益して来ました。
もともとは、大陸書房から1974年に出た『瞑想術入門』を大幅に加筆修正したもので、1999年に表題を変えて上梓され(原著は三名での共著という形を取っていましたが、実際には殆どを山田先生が執筆されていました)、一時期此の新装版も入手出来ない時期がありましたが、10年前に山田孝男全集の第一巻として再び装いを新たにして再登場しています。
ただ、イメージを多用するやり方が中心になっているので、イメージをありありと描くことが苦手な現代人にはちょっと難しい面があるようにも感じます。
しかし、霊的クライシス(危機)や幽体離脱、幻覚剤など、瞑想の周辺事項についても親切な言及があって、瞑想に関心を持つ人ならやはり一度は目を通しておきたい書物であると言えるでしょう。
なお、私が2000年にシルバメソッドの基礎コースを初めて受講した時の同期生に、山田先生のおっかけをしていた女性が居て、先生の瞑想講座が如何に素晴らしいかをよく聞かされたものでした。
私も一度お目にかかりたいと思っていましたが、その三年後に先生は肉体を離れられ、ご縁を持てなかったのは今でも残念に思っています。