今回は「税務調査官が相続人に対して最初にすること」です。

税務調査官が被相続人の自宅(場合によっては相続人の自宅)に訪問し、相続税の調査をする場合、最初に下記のことをする場合があります。

・お悔やみの言葉を述べる

・仏壇に手を合わせ、線香をあげる

なぜ、税務調査官はこういうことをする場合があるのでしょうか?

それは「税務調査をスムーズに進めたいから」です。

相続税の税務調査は相続人にとって人生初、そして、最初で最後ということも少なくありません。

また、一般の方にとって、税務調査官は怖いものでもあります。

そうなると、税務調査官が質問しても、口数が少なくなり、なかなか十分な回答を得られないことにもなるのです。

相続税に限りませんが、税務調査は回答された中から否認の端を発するものも多いのです。

だから、税務調査官は聞いたことに対して、きちんと答えて欲しい(もっと言えば、聞いてもいないことも答えてもらい、否認のきっかけを見つけたい)と思っているのです。

だから、まずは相続人との人間関係を構築するため、お悔やみの言葉を述べる、仏壇に手を合わせ、線香をあげるなどのことをする場合があるのです。

当然ですが、いい人だからこういうことをやっている訳ではありません。

税務調査官は「仕事」として、税務調査を行なっています。

そして、その「仕事」で最も重視されるのが、不正発見(隠ぺい、仮装)による重加算税の賦課、大きな否認額という2点です。

なぜならば、「仕事」である以上は人事考課(出世)は重要なテーマであり、これに大きな影響を与えるのが、①重加算税、②大きな否認額だからです。

そのために、「まずは相続人との人間関係を構築したい」という意図があるのです。

ご参考になさってくださいね。