今回は、自分以外の親族の相続放棄書類を提出する際の注意点を記載します。
たとえば、あなたがこのブログを見て、家庭裁判所への書類を作成することができる場合、おそらく他の親族の分の書類作成を請け負うことがあるかと思います。
また、私もそうだったのですが、被相続人(故人)の子供が相続放棄をしたため、被相続人(故人)の兄弟姉妹に相続順位が回っていった場合、放棄をした子供のあなたが、裁判所への提出書類の作成を請け負わざるを得ない場合もあるでしょう。
新型コロナが流行している昨今では、高齢者の移動はできるだけ避けてもらいたいということもあって、この場合、あなたが裁判所への提出まで請け負うということもあるかと思います。
そこで、今回は、他の親族の書類提出の際の疑問点や注意点について説明していきます。
1・委任状は必要か?
まず、書類提出を代行する際に委任状が必要かについてですが、専門家ではないあなたが、他の親族の書類を提出する場合には、委任状は不要です。
専門家の資格を持たない者は、郵便配達の代わりに窓口に届け出る者という位置づけになります。
そこで、あなたが専門家でない場合、あなたに与えられた書類作成の代理権は事実上のものでしかなく、法律上の代理権を持たないためです。
2・家庭裁判所での窓口での書類への加筆はできない!
他方、委任状が不要であることの裏返しとして、裁判所の窓口において、加筆はできないと考えてよいです。
一番忘れやすいのは、「提出日」の記載です。
私は、故人である父の兄弟姉妹の分を代わりに作成&提出したのですが、提出日の記載を忘れてしまいました。…汗
もちろん、記入の代行について事前に承諾を受けていたのですが、窓口での記入は(本人でないと認められないといわれ)できませんでした。
※ ただし、提出日が空白のまま、書類の受理はされました。
ですので、窓口提出の際は、家庭裁判所に行く前に、書類に記載漏れがないか、最終チェックを行いましょう。
3・相続放棄の代行を有償で引き受けてはならない!
これは、裁判所への窓口提出に限られるものではありませんが、弁護士や司法書士などの専門家でない者が有償で相続放棄事務を請け負うと罰せられることになります(弁護士法72条、77条3号、司法書士法73条1項、78条など)。
無事に手続を終えた後、食事をごちそうになるくらいの範囲なら問題ないでしょうが、通常の交際の範囲を超えた高額な報酬を貰うことは、リスクを伴うと考えておきましょう。
以上が他の親族の書類提出の際の疑問点や注意点になります。