相続放棄手続きをすることを私たちが覚悟した日 | 【相続放棄体験記】自分で手続きをして初めてわかった重要なこと!

【相続放棄体験記】自分で手続きをして初めてわかった重要なこと!

このブログでは、父が死亡した際、母と姉と私の3人が相続放棄を決意し、書類作成から提出、相続放棄申述書の受理通知書を受け取るまでについて、手続き上の問題点や書類の記載内容、費用などの疑問点を調べ、解決した方法について体験記の形で綴っていきます。

団らんのひと時を一変させた1通の請求書!


2020年2月のとある金曜日の昼過ぎ、福岡に住んでいる母から父が亡くなったというメールが届きました。

1月の下旬、すでに父は医師から余命1か月の宣告を受けており、東京に住む姉と私は、ある程度の覚悟していたのです。

そこで、連絡を受けた私は、上司に連絡し、姉と一緒に、この日の最終フライトで福岡へと飛びました。

父の生前の希望もあり、家族葬を行うことを決めていた私たちは、葬儀と火葬を済ませ、週明けに役所へ行き、住民票の抹消届や年金・健康保険などの手続きまで終わらせます。


ところが、私と姉が東京へと戻る予定であった水曜日の朝、とある信販会社からの400万円を超える(金利を含めると500万円弱)の請求書が投函されていたのをゴミ出しに行った母が発見しました。



オオマイガァァァァー!!!
 

 

 

 


あまりにも衝撃的な金額に、母と姉、私の3人はしばし絶句してしまいました!



享年80歳の父は、10年近くの間、年金をもらいながら専業主夫をしていて、家計管理を含めた多くの家事を自ら行っていました。

そんなこともあり、母を含めた私たちにとって、500万円近い莫大な借金の存在は、まさに寝耳に水でした。

この日、16時発羽田行きのフライトで上京する予定だった姉と私は、それまで母と父の生前について語り合い、ゆっくりと上京の途に就く予定でした。

しかし、そんな家族団らんの時間は、急きょ、この莫大な借金の対応に向けた緊急家族会議への変更を余儀なくされたのです。

 

 

 

借金の対応をめぐる話合いと相続放棄という選択!

私は、大学では法学部を卒業し、一応、司法試験を数回ほど受けていたので、

(1)故人に借金があった場合に相続人が借金から免れるために使える制度として

 ・プラス財産もマイナス財産(負債)もすべて放棄する相続放棄
 ・プラス財産の範囲を限度額として相続をする限定承認

という2つの制度があること、


(2)限定承認行う場合、相続人全員で行う必要があること

(3)相続放棄限定承認の手続きは、いずれも3か月内に家庭裁判所に対して行う必要があること(正確には3か月経過前に家庭裁判所に申し出る期間延長をしてもらうことは可能です。)

…を既に知っていました。

(正確には、うる覚えだったものをネットで再確認しました)



しかし、父には目ぼしい財産がなく、自宅も賃貸物件であり、両親の収入は父の年金と母のパート収入のみであったことを母から聞いていたので、限定承認をするメリットがほとんどありません。

しかも、父には離婚した前妻がいて、前妻との間には長女(私たちにとって母親違いの姉)がいました。

この母親違いの姉とは、まったく音信普通の状態で、今となっては、それこそ興信所でも利用しない限り連絡を取る手段が思い浮かばないという状況にあったのです。



そこで私は、この緊急家族会議で、以上のことを説明したうえで、相続放棄を検討することを提案します。


幸い、父が亡くなってから5日目に借金が発覚したこともあり、3か月以内という期限について、それなりに余裕を持って対応できる状態にありました。


これらを検討した結果、この緊急家族会議は、開始後30分を要せずに相続放棄を行う結論に至ることになります。


こうして、父の死亡から5日後、私たち3人は相続放棄の手続きをすることを覚悟し、その後、相続放棄に向けた戦略を練ることにしたのです。

 

 

⇒ 相続放棄に向けた私たちの戦略について!