認知症の定義が

新しく移り変わっていくという点の

根拠となる部分は

DSM(精神障害の診断と統計マニュアル)の

認知症に関する項目にて記載されています

 

現在は

2013年に公開された

DSM第5版(DSM-5)が最新のものとなります

 

<詳細解説>

認知機能の評価法と認知症の診断~一般社団法人日本老年医学会

DSM-5(DSM第5版)とは?~りたりこ仕事ナビ

 

それ以前の

DSM第ⅢR版(1987)から

DSM第Ⅳ版TR(2000)まで

認知症に関する項目は

変更がありませんでしたが

 

DSM第5版より変更されました

 

主な変更は

次のようになります

 

 

注目したいのは

新しいDSM第5版では

これまでになかった新しい障害も

認知症に定義に加わったという点です

 

それが

①複雑性注意機能の障害

②視覚構成認知の障害

③社会的認知の障害

 

という言葉です

 

一見しただけでは

なんとなく意味が分かるようなわからないような

これまでと何が違うのか

 

ざっくり言うと

社会性に乏しいとされる行動障害も

認知症だという定義が加わった

という点が挙げられます

 

これまでは

どちらかというと

ご本人の生活に支障をきたす行動変化が

認知症症状の中心で

社会的ルールに適応できない行動変化は

周辺症状(BPSD)に位置付けられ

主たる原因は

認知症であるか

別の精神疾患や疾病であるか

といった視点でした

 

もちろん

それはその通り

これからも継続した考え方ですが

 

それにプラスして

社会ルールや周囲との協調が失われるケースも

認知症の診断基準に加わり

認知症診断の幅が広がった事になります

 

ただし

難しいところは

そういった行動障害は

主に精神疾患に分類される事が多く

躁うつや統合失調症などでも見られるため

認知症としてしまう事で

正しい疾病の見落としに繋がる可能性もあります

 

そういった事からも

これまでお伝えしてきたとおり

 

認知症を見るより

その人を見る!

 

が大切だという事が言えます

 

また

 

極端な言い方をすれば

認知症ではないと思っていた行動障害が

認知症だったという事があり得る

という事にもなります

 

その人の困り感は何も変わっていないのに

世の中の定義が変わったから

周囲の見方も変わるという

現象が起きます

 

余談ですが…

 

昔は自転車で歩道を走るのは当たり前でしたが

今は交通違反です

 

私も昔

お酒を飲むからと

車ではなく自転車で飲みに出掛けていましたが

今は自転車も飲酒運転で違反で逮捕されます

(あ…昔もそうでしょうか。だったらすいません)

 

そうした道交法の改正が

あまり浸透していないというニュースがありました

 

同じように

今の新しい常識や認識は

今まさに学び経験している

若い人達の方が吸収しているのに対し

年配の人達は

自分達が学び経験した時代の

古い常識や認識からアップデートせずに

そのままとなっているようです

 

やっかなのは

歳を重ね経験を積む事で

変なプライドを持ち

若い人の意見に耳を貸さず

古い経験や知識を

さも常識と振りかざし

若者軽視にいそしむ年配者を

多く見かけます

 

ダサいなぁーと

思います

 

 

例えが強引でしたが

 

そのような感じで

昔は認知症じゃなかったものが

今は認知症となる事がある

という理解で良いかと思います

 

そう考えると

 

支援者にとっては…

特に

介護従事者には

 

あなたの認識は

今のままで大丈夫ですか?

という発想が生まれます

 

新しい認知症症例が生まれているのに

かたや

その支援者や介護従事者は

認知症の人を前に

認知症という言葉だけで判断し

自らの認知症の知識をアップデートせず

自分の経験と古い知識にだけ当てはめてしまう

 

そういった現象が

実際の介護現場で起きていると感じます

 

若い世代の新しい知識やチャレンジ精神と

経験豊富なベテラン世代のリスクマネジメントが

うまく融合すればいいのにと感じます

 

それを拒むのは

モンスター化するご家族?

ベテラン世代の時代遅れな経験とプライド?

…そんなところかな

 

と思います

 

話はそれましたが

 

このブログを読まれている皆さんには

ぜひ大なり小なり

自身の認知症の知識に疑問を持ちながら

常にアップデートし続けていただきたいなと

思います