認知症もそうですが
早期発見が重要だという事は
これまでも説明してきました
しかし
口では簡単に言えますが
なかなか難しい事です
生活の困り感として気付くとしても
その事を
まずは
周囲やご本人が受け入れる必要があります
嫌な事や受け入れがたい事は
なかった事にしたいのが
人の情というものです
「最近忘れっぽくて嫌になっちゃうわ」
「認知症じゃないかしら」
などと笑って言っているうちはいいですし
周囲も
「まだまだ大丈夫ですよ」
「みんなそんなもんだよ」
と返します
私もだいたいそうしています
それがいざ
病院に行ってみたら
という話になると
「まだボケていない」
「馬鹿にするな」
となったりします
誰しも
認知症になりたくない
という気持ちは当然なので
その事実から目を背け
認めたくない
認知症じゃない
という反応も当然です
そしてまた
そんな気持ちも
ちゃんと大事にされなければなりません
結果的に
やっと病院受診ができた頃には
それなりに認知症が進んでしまっている場合が多いですし
BPSDが表出してどうしようもなくなってからの場合が多いものです
ここで少し
医学的な説明をすると
アルツハイマー病の原因と言われている
”アミロイドベータ”
という脳内の原因物質は
認知症が発症する
20年ほど前から蓄積し始めている
と言わわています
そして
アルツハイマー病によるMCIが発症する頃には
そのアミロイドベータが
脳内に相当蓄積されてしまっている
と考えられています
しかし
MCIと診断されてから認知症が発症するまでの
期間や進行の速さは人それぞれなので
MCIの対策や治療は
早期であればあるほど
認知症の発症を遅らせる可能性が高い
言われています
今は
将来の認知症発症を予防するには
MCIの早期発見が重要
と言われています
とはいえ
前段で申した通り
人の心は複雑です
自分が認知症かもしれない
という不安や恐怖は
心を壊していきます
そうならない事は
もしかすると
認知症にならない事よりも
大切な気がします
だったら
認知症になっても大丈夫だよ
認知症になっても安心だよ
という社会ができていけばいいのにな
というのが
私の理想ではあります
そのためには
ご本人はもちろん
ご家族や周囲の人々も
MCI(軽度認知障害)について
もっと知識を持ち
毎日の変化に敏感になっていく事が
大切だと思います