担当編集者今井さんのお話 その1「出会い編」 | 書籍『蒼翼の獅子たち』オフィシャルブログ

担当編集者今井さんのお話 その1「出会い編」

こんにちは。ペダルファーブックスのよねまるです。
『蒼翼の獅子たち』の編集者、今井鎮夫さんにお話を伺いました。
(2回か3回にわけてお送りします)

質問)そもそも志茂田景樹さんとはどんなご縁ですか?

もう30年も前になります。ぼくが徳間書店の文芸書籍編集部に配属になり、当時トクマノベルスが上げ潮で、新人作家をさがしていました。そこで祥伝社のノンノベルスで出版された先生の「伝奇シリーズ」が目に留まり、新宿の居酒屋で午後3時にお会いすることになりました。
意気投合、お会いした最初のその日なのに、新宿界隈をはしご、朝になりました
そこで決まったことは、トクマノベルスに書き下ろし作品をお書きいただけるということと取材旅行に行こうということでした。
取材地は、九州の五家荘。冬の2月で山は雪でした。その山の頂には目的の洞穴があって、旅館の主の制止を振り切り無謀にも登山しました。稜線までなんとか登ったのですが猛烈な吹雪。目的地までは当然行けなくて遭難寸前だった思い出があります。泊まった旅館は、久連子という集落にあり、山里なのに旅館のマッチが鍵穴から女のヌードを覗くデザインで、よからぬ妄想にかられた記憶が残っています。
それから国東半島にまわり、板碑を調べ別府温泉で疲れをとり帰京。作品は『新黙示録 北辰の秘宝』として出版され4刷か5刷まで版を重ねました。
その一年後、先生は講談社から刊行された『黄色い牙』で直木賞を受賞することになります。

新黙示録 北辰の秘宝