〈Nさんの実例〉
Nさんは当院の患者さんです。もう長いお付き合いですから、Nさんのことはよく知っています。
Nさんは、中学を卒業すると集団就職で上京し、個人経営のお店に雇われて住み込みで働きだしました。少ない収入の中から義母にお金を送り続け、いろいろ大変なことを乗り越えて、三十八歳で大手自動車メーカーに勤務しているご主人と結婚しました。
占い師に見てもらったら良い人だからと言われ、結婚したと話していました。このご主人が変わっています。北海道の出身で独身生活が長かったのか金銭的にものすごくケチで、結婚してからも奥さんのNさんには生活費を渡しません。
渡すのは家賃と光熱費だけです。食費や交際費などの経費はNさんの負担です。二人とも共働きです。しかもNさんはパートです。こんなことからNさんは子供を産むことに躊躇(ちゅうちょ)してつくりませんでした。離婚も考えたようですが、ケチなところを除いたら特に悪いところがないので我慢してきました。
今までの苦労から考えるとこれぐらいのことは何でもなかったのです。一生懸命に主人に尽くしてきました。無事に主人は定年をむかえました。でも、お金に関しては相変わらずで、年金は家庭には入れません。そのため、Nさんはいまだに働いています。高齢者のパートですから収入も知れたものです。
ご主人は、定年後は時間を持て余し老人会などにも顔を出していますが、何しろ金を出すのが嫌いで、少しも出さないために皆には仲間外れにされています。
お金がないのではないのです。現金で一億円近くもあるとのことです。それを全部自分の名義にして、しかも普通預金にして定期にもしていないそうです。私が、子供がいないのだからお互いに遺言状を書いておくほうがいいとアドバイスしましたが、ご主人にその旨(むね)を話しても承知しなかったようです。
それから夫婦であっても滅多(めった)にないようですが、たまに外食するとお前は働いているのだから食事代は割り勘にしようと言うそうです。食事代なんて大した金額でもないのに、夫婦でもと呆(あき)れてしまいます。当然、二人で旅行なんてしたこともありません。
他にも変な癖(くせ)があって、無意識に手を握りボクシングのような真似(まね)をしたり、一ヵ所にじっとしていることができなかったり、いつもソワソワとしているようです。
私もこういった話を聞いて、どうも常識では考えられない行動だと思いました。早々に、ご主人について高級霊さまにお伺いしてみました。その原因は、ご主人の前世に関わっていました。
ご主人の前世は、お寺の僧侶でした。この寺は建物も大きく立派で僧侶も大勢いました。その僧侶の中でも上の立場であり、権力を握って自己中心的に振る舞っていました。それから、その寺の周りには小さな神社が三社ありました。それぞれ神主もいてそれなりに参拝者もありました。
そこでこの僧侶は、この周りの三社の参拝者も全部自分の寺に来させようと神社の悪評を流し、神社を困らせました。これにより、周りの神社は収入が少なくなり大変になりました。このことから当時の三社の祀(まつ)られていた神霊が恨んで、この僧侶であったご主人に念を向けているのです。
神社に祀られていた神(人霊)はお金に困ったから、この想いをうけてケチになります。また神の怒りの念で、心が落ち着かなくなり一ヵ所にじっとしていられずソワソワしたり、拳(こぶし)で相手をつく動作をしているのです。
そして、この三社の神社に祀られていた神(人霊)は暗いところで苦しんでいます。三社の人霊に憑依されたご主人は、若い時から電車やバスに乗ってもじっとしていられず、いつもソワソワしており対人関係も下手で友人がいません。
奥さんのNさんが、定年後は少しでもボランティアをしたらと話しても、人のために尽くすのは損だから嫌だと言って動きません。
Nさんの治療の時、時間を割いてご主人の前世に関わる三人の人霊を助け出し、真理を教え正しい心の修行をするように導きました。これが終わってからは、ご主人はソワソワするのがなくなり、年金の一部は使ってもよいと通帳と印鑑を渡してくれたそうです。Nさんはびっくりして、次の治療の時にニコニコしながらこの話をしてくれました。
治療中に、もう一度ご主人について神様にお尋ねすると、まだN家の先祖が苦しんでいるとのことです。Nさんに、N家先祖代々の位牌は作れますかと聞くと、おそらく主人が承知しないだろうと話します。
そこで考えました。今は位牌でも位牌らしくないお洒落(しゃれ)な飾りもののような位牌があります。その小さな飾り板の位牌を買って、表面にはN家先祖代々とは書かず無地のままで目立たないところに置きなさい、私がそこにN家の先祖の魂入れをすると話しました。
そして、ご先祖もみんな助けあげるからNさんはご主人のいない時に、お茶などのお供え物をして、帰ってきそうな時はおろして、知らぬ顔をしなさいよと説明しそのようにしてもらいました。
するとどうでしょう。ご主人はそれからすっかり変わりNさんの言うことを素直に聞くようになりました。今は、位牌にもN家先祖代々之霊位と印刷した紙を張りつけご主人も手を合わせています。
ご主人は、定年後何年も公民館に将棋を指しに行く以外は外に出たことがありませんでした。しかし今年からは、ボランティアで駅前の自転車整理にも行くようになりました。ケチもだんだん直ってゆくようです。
ただ長い年月の習性ですから、急激な変化はありませんが普通の人間にはなってきたとNさんも大喜びです。Nさんも、もっと早く先生に相談をすれば良かったと言っています。誰もそうですが、家の中のことはいろいろあっても人には話したがらないものです。
私は他人の秘密は話しませんし、毎日いろいろな話を聞いてそのつど処理していますから、誰が何の相談をしたかどのように答えたかなど一つ一つ覚えていません。それほど多くの相談を扱っていますから、本当に覚えていないのです。
またこのように、『心の友』誌に実例として載(の)せられるのを嫌がる人もいます。このような人は自己中心的な人で助かりません。そのような人には次のように返事を書いています。
本名も住所も書いていないのだから、誰だかまずわかりません。それと、皆さんに自分の体験を読んでもらうことにより、自分の体験が皆さんのために役だっていることになります。
人に役立つほど自分の因縁が早く消えるのです。早く助かりたいなら、自分の体験なり経験を多くの人に知ってもらい、それにより多くの人が希望を持ち明るく生きられるように役立つことです。
それを自分のことは隠しておき、人のことだけ聞きだして良くなるという小さい心では助かりません。それと、私が毎日毎日除霊や手紙の返事を書いているのも、全ての人に神様の存在を知ってもらい、神様の意に沿(そ)う生き方をしてもらいたいからです。
それには心をつくる、心を磨く話から入らなければなりません。しかしほとんどの人は、心を成人させる、心を磨く、などということには関心がありません。
それよりも、今困っている問題や悩んでいることをなんとかしてほしいと思っています。まずは、お腹の空(す)いている人には食事を与えることです。お腹が満腹すると次のことが考えられます。ですから、病気にしても悩みにしてもそれを解決してから、少し心に余裕ができたら宇宙の真理の話をさせてもらうようにしています。
私の本業は肉体の治療です。これが縁で窓口となって、病や事情を通して神様に近づいていただくための橋渡しの役をさせてもらっているのです。
Nさんに話しは戻りますが、ご主人の例からもわかりますように、神社の神として祀られている御神体はほとんどが低級霊です。中には怒りや祟(たた)りを恐れて、これをなだめるために祀り込んだご神体も多くあります。神とは申せ、ほとんどが低級霊です。ですから、参拝者を守るどころか、害を及ぼす神社仏閣があることを承知しておいてください。
UnsplashのDavid Vivesが撮影した写真
[解説] 今回の事例は大変わかりやすいものです。私の経験に照らすと、こういった事例は典型的なもので、一度霊障が取れると、あれよあれよという間に事態は進展していきます。
今回の事例を一般的な常識に照らして分析すると、夫の性格は治らない、奥さんが不満なら離婚するしかないし、離婚にあたり夫からお金を取る方法を考えたよいとなるのでしょうが、これだと目には目を的な発想で、問題の根本的な解決には至りません。
夫がケチだというのが霊障だというのは、多くの人は理解できないでしょうが、意地悪な人であったり、気難しい人というのは、何かしらの霊障を受けていることがほとんどです。本人の性格に問題があって、悪い霊を呼び込んでしまうという部分もありますが、霊障をとらないと、事態は根本的に解決しません。
霊障を受けている人間に腹を立ててもどうしようもないのです。霊に振り回されているので、その霊の方をなんとかしなければいけないのです。
私も現在、とある人物から嫌がらせをうけています。本人は至って真面目に対応しているつもりで、そのようなつもりはないのかもしれませんが、客観的に見ると、その人のせいで、色々と物事が進まないという状況になっています。
私としては、まず、人間界の方で、できるだけのことはしておこうと対処しました。しかし、ここ数日の宮下先生の記事を読んでいると、どうも霊障の可能性が高いな、その人物についている低級霊が、妨害しにきているな、と考えるに至りました。
そこで、私は、大神様親神様にお願いし、そのような霊は、許されるものではないので、大神様親神様の方で対処してください、ひとまず神様の方で霊を除去し、諭して、妨害をやめさせてくださいとお願いしました。霊がこの世の人間に悪さをすることは認められておらず、ひどいと消滅させられますが、今回はそこまでではないと判断し、とりあえず修行させて転生させてもらうようにお願いしました。
この霊が私が前世にひどいことをして、私に恨みを向けているなら、お詫びしますとも伝えました。加藤先生や宮下先生が今はいらっしゃらないので、正確な原因は特定できませんが、とにかくお詫びして人助けをすることでお返ししたいとお話しました。私の考えでは、この可能性は限りなく低いですが、ゼロとはいえないので、しらみつぶし的にやった次第です。私が迷惑をかけている可能性が低いということではなく、ほとんど関係のない第三者についている霊が私と関係がある確率が低いということです。
それから、私自身に、私に恨みを向ける霊がついていて、妨害しているなら、これにもお詫びしますとお話しました。こういったケースでも、上手く行かないことが多いからです。ただ、私の場合、自分の霊障関係はさんざん対応してきたので、この可能性も低いとは思います。
今のところ、結果はまだ出ていませんが、結果がでましたら、また読者の皆様にご報告させていただきたいと思います。宮下先生の文章を読んでいて思いましたが、読者の皆様が知りたいのは、実際のところ、どのように具体的なケースが動いていくかだと思うので。