<Aさんの実例>

 

Aさんからの便(たよ)りがきました。その手紙を要約すると、Aさんの身内にはガンで苦しんでいる人が多く、また自殺者も二人います。そして財産争いをしている家もあります。身内には、一軒も安定した家はありません。

 

もう一つは、長男が身体の調子が悪くて思うように働けず、収入も少ないので生活が大変だということです。この困ったことから抜け出す方法を教えて下さいとの依頼です。私は時間を作って、この件に対して高級霊さまにお伺いしました。

 

一つ目の、身内のガンや自殺、家庭内の争いなどの原因は先祖の因縁でした。五代前の先祖が地主であり、金貸し業をしていました。貸した金の取り立てが厳(きび)しく情け容赦(ようしゃ)がなかったので、そのために自殺した人もいました。

 

また他にも、返済しようと頑張り無理に無理を重ね、病気(ガンや中風(ちゅうぶう))になった人も何人かいました。これらの人たちがA家を恨んでいました。特にその内の七人が、今も恨みの念を向けていました。すでに金貸しの先祖は生きていないため、A家の子孫にその標的を向けていました。

 

そのために、A家の一族の人たちは、病気や自殺や金銭にかかわることなどの問題が絶えなかったのでした。恨みを向けている霊の人と同じ状況になっていたのです。

 

UnsplashThe Cleveland Museum of Artが撮影した写真

 

〈解決策〉

Aさんが次のように詫びてください。部屋の中のどこの場所でも良いから、命(めい)根(こん)石(せき)を置きます。この命根石は、色々の効能がありますが、その一つに、天界の高級霊や先祖の霊、自分と関(かか)わりのある霊などとの接点として大変すばらしい力を持っています。

 

命根石を使って、祈ったり話しかけたり詫びたりすると相手方に大変よく伝わります。この力を利用して命根石に向かってこう述べます。

 

「A家に怒りを向けているみなさん聞いてください。A家の先祖が金貸しをしていて、情け容赦もなく強引(ごういん)に取り立て、みなさんを虫けらのごとく扱って誠に申し訳ありませんでした。みなさんもさぞかし悔(くや)しい苦しい思いをされたことと思います。子孫の私がA家の先祖に代わって、深く、深く、お詫び申しあげます。なにとぞ何卒(なにとぞ)お許しください」と言って頭を下げます。

 

これを毎日一回、一ヵ月ぐらい続けてください。そして、二十日ぐらい詫びた頃から、「皆さんの怒りがおさまらないのもよく分かります。皆さんが暗い所で苦しんでいるのも分かります。もう少ししたら力のある神様にお願いして、皆様を明るいところへお助けいただくようお願いいたしますので、もう少しお待ち下さい」と、前文に付け加えて頭を下げます。

 

一ヵ月お詫びするのが終わったら、この手紙を添えて私のところまで送り返してください。手紙が着きしだい、A家に恨みを向けている七人の霊たちを助け出し明るいところへ上げ、そこで宇宙の真理や愛の心を教え、再び暗い所に落ちないように説明し、A家への恨みをなくさせます。

 

どんな理由があろうとも、人を恨み困らせようと思う心は暗い寒い世界へとつながってしまうからです。恨んでいた霊も明るいところへ出してもらい、そこで真理や愛や許す心の話をするとよく分かり理解します。そして、この霊たちもあの世で再び学び直して、またこの地上に再生してくるのです。

 

ここでお願いしたいのは、私から本人の前世や家の因縁などの原因がわかり手紙などでお伝えしたときは、必ずその届いた手紙を添えて返事を返してください。なぜならば、私は毎日大勢の方と接しているので、誰にどんな話や手紙を書いたか、どんな内容だったのかは一つ一つハッキリと覚えていないからです。

 

ですから、相談の方が「前に話したから」とか「こないだの件で」と言われても正確には分からないのです。この確認のために、その手紙が必要なのです。また、相談の手紙の内容はなるべく詳しくわかりやすく書いてください。神様に伺うのに、要件が詳しくわかっているほど的確に聞き出せるのです。

 

神様は、聞いたことだけに対してしか答えてくださいません。だから、詳しい手紙ですとそれから判断して、正確なお伺いができるからです。そうすると、結果も良いし問題も早く解決できることになります。

 

Aさんのところの二つ目の問題は、長男の体調が悪くて思うように働けず、そのために収入が少なくて困るということでした。これにも原因がありました。高級霊さまの教えによると、長男のM君は前世では木こり(山林伐採業)をしていました。

 

その時に、自分の不注意で仲間に怪我(けが)をさせてしまい、その怪我が原因で仲間は働けなくなってしまいました。そのため、この仲間はお金に困り生活が苦しくなってしまったのです。この怪我をした仲間は二人でした。その二人がM君にいまだに恨みの念を向けているから、M君は体調がすぐれずお金にも困るのです。

 

これも同じように、M君が命根石を置き、怪我をさせた二人に一ヵ月近くお詫びをしてください。詫び終わったらこの手紙を送り返してください。詫びる内容は自分流に考えて詫びればよいです。

 

手紙が返ってきたら、私の方で神様にお願いして恨んでいる二人を助け出し、念を向けないように諭(さと)します。それから、A家の先祖が大勢苦しんでいるので、先祖の位牌があれば良いですが、ない場合は「A家先祖代々之霊位」と書いた一枚板の位牌を作ってください。

出来上がったら、朝七時から八時の間に私のところへ電話をかけてください。A家の先祖代々の魂入れをします。A家一族の暗い所で苦しんでいる人たちを助け出します。これをすると嘘のようによくなるはずです。

 

〈後日談〉

この解決をしたのが五月でした。十一月に、Aさんからリンゴが送られてきました。中に手紙も入っていました。文面はこうでした。

 

身内の財産争いもけりがつき、病人も快方に向かっています。身内の付き合いも良くなりつつあります。息子も元気で働き出したために、今はすべて順調で、ただただありがたいです。地元のリンゴですので食べてみてください。ほんのお礼の気持ちです。…と書いてありました。

 

病気も事故も、いろいろ困った事情も、すべてに原因があります。偶然ということはありません。私たちは目に見える世界だけで考えていますが、実際には目に見えない因果(いんが)応報(おうほう)による前世との関わりとか、自然霊(土地の神様)との関わりなどによります。

それから心の運用により、天国界とつながるか、地獄界とつながるか、など色々の事が複雑に絡み合いながら関わっています。ですから、どうしてもこの宇宙の法則を知り、幸せになってほしいのです。

 

くどいようですが、創造主は人間を幸せにしよう陽気暮らしをさせようと大愛を持って導いてくださっているのです。病気や色々の事情で困るようになっているのは、人間が勝手にそのように自分自身で仕向けている結果です。

 

[解説] 先祖が作った悪因縁の典型例です。先祖が悪因縁を作ると子孫はその影響を受けます。子孫としてはそんな先祖は恨んで地獄に蹴落としたいところですが、蹴落とすまでもなく本人は既に地獄に落ちてしまっているので、それ以上蹴落としようがありません。

 

子孫からすると辛いところですが、そのような先祖を持っている時点で実は子孫も似たような悪因縁を作っているのです。ですので、ある意味では自業自得です。

 

最初はこの事実がなかなか受け入れられません。しかし、拒絶していても解決が遠くなるだけです。

 

心のトラップを解消するにはまず、このような状況は誰でも通る道だということを理解することです。失敗をすると人間はこれを否定したくなりますが、受け入れればいいのです。

 

そしてリカバリーを速やかに行うことです。

 

魂の修行は一直線にゴールに向かって進めるものではなく、紆余曲折、上がったり下がったり、試行錯誤してたどり着きます。

 

ですので、やっちゃったものは仕方ないということで、受け入れて前に進むのです。別に自分だけがそうなっているわけではありません。そう考えれば、そこまで大したことではないことが分かると思います。

 

それからややこしいのですが、子孫が必ずしも悪くない場合もあります。この世の修行はいろいろなレベルの人間を組み合わせて行うので、同じ家系、家族でもレベルが全く違う人間を組み合わさっていることがあります。

 

こういう場合は、修行が進んでいる人間から見ると、周回数の浅い人間に足を引っ張られているように感じて腹が立つのですが、これも仕方ないです。そういう修行だからです。

 

クソみたいなチームだなと思っても、それが修行なので、どんなチームでも勝てるようなクレバーさを持つことが重要です。