[Sさんの実例]

 

Sさんのお母さんが来ました。息子のMさん(四十二歳)が、風呂にも入らず歯も磨かず困りますと話します。前からそうですが、いつも毎日風呂に入らず二ヶ月に一度入れば良いほうですと説明します。

 

Mさんは変人で、職場においても人と会話せず用件のみの会話は最低限しますがそれ以外は話しません。昼食も皆と食べずに、自分の車の中で弁当を食べるとの事です。仕事は真面目にしますが、自分の家族以外の人とは接したがらないようです。当然、結婚もしていません。

 

不思議と風呂に長く入らないのに体臭はないとのことです。もちろん下着は毎日、お母さんがうるさく言って変えさせています。早速、Mさんの原因を調べてみました。分かりました。

 

Mさんは、前々生は山の猟師で熊や狸を追い山の中で何ヶ月も過ごし、風呂や歯を磨くことは全くなかったようです。その時代は、ウサギや鳥ではなく熊や狸が主な獲物だったようです。当然人との接触もありませんでした。

 

UnsplashPhilipp Pilzが撮影した写真

 

また、次に生まれ変わった前生は山の修行僧でこの時も結婚せず、当然人との付き合いもなく風呂も顔も洗うこともなく生涯を終えたようです。人間の持つ癖とか性分、性格、習慣というものは死んでも変わらず持ち続けます。

 

特に、あの世でこれらの性格や癖を変えることは難しいです。だから、この世に生きているうちの考え方や行動、性格は訓練して良いものにしておかなければならないと思います。Mさんは、前生、前々生の生き様をすっかりこの世に持って来て生きている為、この世の世間の常識の中では生きていけないのです。

 

要するに、急に性格は変わりません。お母さんに話して、潜在意識を変えるより方法がないと説明しました。毎日、息子さんに向かって「風呂に入った風呂に入った、歯を磨いた歯を磨いた、他人との会話が好きになる好きになる」と言葉をかけ、またMさん本人も暇があるとこの言葉をお経のように唱えて下さいとお願いしました。

 

「言霊」は必ず潜在意識を変えます。その言葉の強度と頻度によって、結果が決まってきます。Mさんが変わるにはもう少し時間がかかるでしょう。

 

このように、いろいろの事に触れてきますとほとんどのものが何かの原因があります。目に見える表面的なものだけでなく、宇宙の仕組を知り、人間としての正しい生き方が如何に大切であるかが分かってきます。

 

やはり、人を愛し他人のために尽くす。そして、どんなに自分を苦しめた人も許す。これはなかなか出来ないことですが、この「内の心」の生き方が如何に大事かということが分かってきます。

 

[解説] 今日の内容は随分と変わり種で、霊障とかではなく、前世より前の自分の癖が残っているというものです。これは、人によっては結構強く残っていることもあるように感じます。

 

多少の癖を引きずっていても、今世を過ごすのに特に支障がなければいいのですが、時代にあまりに適応できないのもちょっと…といったところでしょうか。

 

普通は死んだ後に、転生前に次の人生に向けて心の癖をとり、同じ失敗をしないように心のよい癖をつける練習をしてから来る(はず)ですが、まあ、適当に準備したり、心の癖が強すぎて上手く行かない魂もいるのかもしれません。

 

風呂嫌いや人嫌いなのは、周りに迷惑がかからない程度なら仕方ないと思いますので、程度問題でしょうね。

 

人間と関わるのが嫌だというのは現代人には結構多いと思います。あまりに関わらなすぎると修行になりませんし、かといって、付き合うだけ時間の無駄な人間と関わる必要も無いと思うので、そこら辺りはバランスの問題だと思います。