[Fさんの実例]

 

Fさんとは、十数年にわたる長い付き合いです。でも逢ったことはありません。関西の人で、夫婦で働いています。Fさんは、親子して霊媒体質です。若い時は、霊を降ろす巫女(霊媒師)のような仕事をしていたこともあります。

 

Fさんは神社仏閣が好きで、よくあちこちの神社や仏閣にお参りします。そして、色々の願い事をしているようです。困ると手紙がきます。内容は、ほとんど除霊のお願いです。

 

UnsplashThe Cleveland Museum of Artが撮影した写真

 

今は、夫が会社のリストラにあってしまい良い仕事が見つからず大変です。二人の成人した息子も就職が出来ず、アルバイトをやっていて不安定です。

 

本人のFさんも糖尿病になり、体調不良です。幸いにも今年の四月に市営住宅に入居できるようになり、家賃が安くなったことだけが朗報で、あとは困った困ったの毎日です。

 

今までの相談は、家族の個々の相談のためF家全体の因縁とは気がつかなかったのです。しかし、今回の手紙で家全体に問題があることが分かり高級霊様(神様)にF家の困る原因をお伺いしました。原因は、次の通りでした。

 

F家の身内のねたみが原因とのことです。F家は昔、土地持ちの財産家でした。ところが、先祖の従兄弟の子で、二人の男が怠け者でどうしようもなく一族の困り者として生きていました。この二人は金使いが荒く、色事はする、根性は悪い、仕事はしない、こんなことから結婚も出来ず一生を穀つぶしとして終わりました。

 

身内の人達は、それ相応に親から財産を譲り受け立派に生活しましたが、この穀つぶしの二人には親も親戚も、誰も財産をあげませんでした。あげてもすぐに使い切ってしまう事を知っていたからです。この二人の穀つぶしは、今でいう糖尿病を患い死んでいます。

 

そして、俺には財産をくれなかったと逆恨みの念を持って、あの世から身内のF家に恨みを向けているのです。この二人は、あの世の暗い寒い所で苦しんでいます。因果応報の理から、あの世の暗黒界に行くのは当然のことです。

 

Fさんに、このことを伝えてすぐにこの二人を処分致しました。処分とは、暗い寒い所からとりあえず助け出しよく説得しましたが、根性が悪だからすぐ理解しません。私では時間がかかるため、あの世の高級霊の係りの方にお願いしました。

 

二人の霊は、すぐには明るい所には住めません。少し薄暗い所で、担当の高級霊の指導を受け徐々に魂の修行をしていくことになります。本人が少しずつ悟ることにより、少しずつ明るい世界に住めるようになります。

 

問題は、二人の霊がF家に恨みを向けているうちは、この二人もF家も共に苦しむことになります。だから、この二人の霊をF家から離し、二人には改めて人生の再出発の道を与えたのです。これで、長年のF家の悩みは解決します。

 

またFさんにも、神社仏閣巡りは止めるように話しました。神社や仏閣には、常に正しい神様が祀られているとは限らず、低級霊が祀られている場所が多いからです。そのような所にお参りしお願いしていると、逆に悪い念をもらうことが多いからです。

 

その後、Fさんから便りが来ました。

 

二人の亡者(霊)を解決して頂いてから、お陰様で体の中がスッキリした感じがします。今までのように体の重い倦怠感(だるさやしんどさ)が消えた感じがします。体のしん芯からスッキリしています。子供達も新しい就職先を探すと張り切っています。…以下省略。

 

[解説] これは比較的珍しいパターンで、ダメな身内の逆恨みによる霊障です。先祖の霊障というと、通常、直系先祖が助けを求めて頼ってくるものが多いですが、このように直系でもなく、助けを求めるでもなく、恨みの念を向けるというのは珍しいです。

 

この話を読んだ時に、他人の家の話しながら、この先祖、ツカエネー!と思ってしまいましたが(失礼)、まあ、人間界にいろいろな人間がいるということは、死んだ後の霊界にもいろいろな霊がいるということでしょう。

 

大神様・親神様の教えからすると、全てはバランスしますので、恨みを向けられた子孫も、何らかの原因があっての因果応報という可能性があり、ひどい先祖だと怒るのではなく、他人のふり見て我がふり直せ、といったところだと思います。

 

この世界の修行というのは、最初から答えを知っていれば、それほど難しくはないのですが(答えを知っていても失敗するばかものはいるかもしれませんが)、記憶を消し、人生の意味も自分で探すとなると、無理ゲーになるわけです(難易度が高くてもクリアする人はいるので、無理じゃないのだと思います)。

 

ただ、そんな中でも、泥臭く、頑張って最後まで完走するしかないわけです。