(昨日からつづく)

 

解決方法として、B子さんにこの事を知らせました。B子さんが「命根石」を置き、一ヶ月間この社の神様にお詫びを致しました。一ヶ月たったので、今度は私が治療院で朝早くにこの神様を呼び出し、話をして分かってもらい解決しました。

 

その後、しばらくB子さんは体調も良く薬も飲まなくなりホットしていた時、この速達の手紙が来たのです。しばらく良かったB子さんが、ここにきて急に幻聴が激しくなり頭の中や耳元で騒がしく、誰かが何かを言っているようだけど訳が分からないと申しているとのことです。

 

そして手紙に、『心の友』誌第二十四号の中で、いわくつきの都営住宅を除霊してから後に入居して、今は何の問題もないという記述を読んで感じたそうです。Aさんは、今の市営住宅に移ってから変に思う事がいくつかあることに気づいたので、いま住んでいる市営住宅を調べて下さいとの依頼です。

 

UnsplashHudson Hintzeが撮影した写真

 

Aさんが近所の人に、自分達が入る前に住んでいた人について尋ねたところ、Sさんという八十歳位のとてもしっかりしたおばあさんが住んでいたそうです。そのおばあさんが認知症(痴呆症)になりおかしくなって、上の階の住人のことを悪く言っては他の階の人に電話して話し、盗聴されているとか、物を盗まれたとか言い、その他にもいろいろ問題を起こしていたようです。

 

そして、このSさんは認知症のまま死んだとのことです。亡くなってから二ヵ月後に、この部屋にAさんたちが越してきたのです。それから三ヶ月位して、今までそれほどおかしくなかった娘のB子さんが変になってしまったということです。

 

人が私の悪口を言って通っていたとか、上の階に盗聴の基地があるとか言い出して電話線を切ったり、電話機を壊したり、関係ない人の家に行って誰々さんが来ているはずだと言ったり、あまりにも異常なため私の所に何回か電話がありました。

 

その都度、除霊をして少しはおさまっていました。前回の手紙には、娘は今でも市営住宅の部屋はブーンブーンとずっと音がすると言い、外に出ると音がしないと言い、家に入ると、どの部屋もブーンブーンと音がして夜になるとそれを強く感じると言っているとのことです。

 

その時は、引っ越して環境に慣れないために精神的に不安で、そのような変調をきたしているのだろうと軽く考えていました。しかし、今度の速達の手紙を読んでみると、これは何かあると思わざるを得ません。今回の決め手は、Aさんたちの前に住んでいたSさんが認知症で変な行動をしていたことです。それと似た症状が、B子さんにも見られたことに気づいてきたことでした。このようなヒントがないと、もともと精神的に変で薬を飲んでいたから薬害と今までの習性ぐらいに思って、深い原因までは考えなかったからです。そして、早速調べてみると案の定、認知症のSさんが悪霊に支配されてあの世へと旅立てずにこの部屋でさまよっているとのことです。

 

横道にそれますが、私達が亡くなるとどうなるかを神様に教えて頂いたことをお伝えします。おそらくこの事は、他の宗教家とか霊能者の方々は知っていないことだと思います。

私達が死ぬと必ず、身内の霊や指導霊とかが二人位は迎えに来てくれると話しましたが、その通りです。しかし、これは一般論であって死ぬと必ずこの迎えの霊のほかに、悪霊が近づいて来て待っています。機会(チャンス)があれば悪霊が連れて行こうとしています。

 

人間が亡くなると誰が区分けするのでもなく、直接に天国側か地獄側に直行する人がいるとも申しましたが、生きていた時に「内の心」つまり神性的な心を強く持って生きていた人は直接天国側に行きます。これは、迎えに高級霊が来てくれるからです。でも、こういう人は本当に少ないです。

 

反対に地獄側に直行する人は、生前に「外の心」つまり動物的な心を強くして、特に人を泣かせ自分中心であまりにも悪い生き方をした人です。これは、当然悪霊が待ちかまえていて連れて行ってしまいます。

 

普通の人、つまり善くも悪くもない人は、身内の霊か案内役の霊に導かれて天国と地獄との中間の世界(霊界)に連れて行ってもらいます。

 

そして、その中間世界で長いこと、天国側の霊や地獄側の霊の影響を受け、霊界の仲間達とこの世にいた時と同じような仕事をしたり趣味を持ったり、宗教をしたりしながら魂を磨き整理して、この『心の友』誌の中にも書いてある〝剥奪と最後の審判〟などを受け、最終的には天国側か地獄側の住処に落ち着きます。

 

普通の人は亡くなると、三日から一週間位で霊魂が肉体から抜け出しあの世へと旅立つのですが、人によっては肉体を離れてもあの世に行けず、あの世とこの世の中間で悪霊に導かれてさまよっている人もいます。長い人は、三十年もさまよっているそうです。

 

私達は肉体人間として、この世に生きている時は十五歳位を過ぎると誰でも、地獄側の霊か、中間世界の霊か、天国側の霊かとつながって生きています。これは、その人の持って生まれた運命(前生の因縁の合計)と、この世の生き方や考え方などにより、どの霊とつながるかが決まります。当然、その人の魂の修行により十五歳の時のつながりと、現在の霊とのつながりは変わってきます。

 

ですから、本人の心の自由は本人のものだと許されていますから、本人が悪い心を持ち続けて悪霊に憑依されてしまったことに対して、守護霊や背後霊は困ったと心配しながら何も手助けは出来ないのです。

 

このAさんの場合もそうです。Aさん宅の以前の住人であったSさんも、一人暮らしが長くて気が強くしっかり者だったと言いますが、多分「外の心」が強くてそんな生き方をしたのでしょう。ですから、認知症になって死ぬ時に悪霊が待ち構えていて、Sさんを支配してこの世に留め悪さをしているのです。

 

悪霊はSさんを通して、B子さんに憑依させ自分の感情を肉体人間として生きていた時の状態に戻し、あの世(地獄界)にいながらこの世の感覚を味わっているのです。憑依されたB子さんは、生前のSさんがしたように市営住宅の上の階の人の悪口を言ったり、電話したり、他人の家へ行ったり、Sさんと同じ行動をしている訳です。

 

頭の中や耳元で、誰かがしゃべっているように聴こえるとは、霊となったSさんがB子さんの肉体を支配してそのように話しかけているのです。当然、B子さんにも守護霊や背後霊の方々もいて守ってくれていますが、精神薬を飲み、今までに心の勉強もしていないB子さんはどうしても肉体の本能に負け、「外の心」でいるから、背後の正しい霊の人達も本人の心が正しい方に向かない限り手の打ちようがなかったのです。

 

皆さんも、魔の踏切などという話を聞いたことがあるでしょう。その踏切は人身事故ばかり起こす場所です。その近くの人が言うには、この踏切に来るとなんとなく吸い込まれそうになるなどと話します。

 

これは、ここで死んだ霊が悪霊にそそのかされ、あの世の住み家(霊界)に行けずこの踏切の所で留まり、自分と同じ体験を再現させようとすることです。悪霊がその不幸を通して満足しようと、神様の愛とは逆の憎しみの念に生きているからです。

 

この世には、善霊よりも悪霊の方がはびこっているのです。これは、神様が人間に自由を許されましたが、その自由を人間は自己中心で我さえ良ければよいの「外の心」を強くしているところに、悪霊が付け入り活躍する場が広がってしまうのです。

 

認知症(痴呆症)の魂は、亡くなった時に一般の人より肉体から抜け出るのが少し困難のようです。ついでに、なぜ認知症になるかと神様にお伺いしましたら、私達は生まれて来るときは、この世に生まれ出るための何か目的とか役目とか使命があるとのことです。

 

個人個人それぞれ違いますが、それはどんな事かというと前生で犯したいろいろの因縁を消すということです。この世で、いろいろの辛苦を味わいながら前生、前々生でしてしまったマイナスの因縁を消し、天の国に住めるよう魂を磨くということです。それが一番の誰もが努めなければならない使命です。

 

ところが、死が近づいているにも関わらず自分の魂の修行が少しも出来ていない人にはボケさせ、外部の雑音をシャットアウトして、肉体を持っている内に指導霊が真理の勉強をさせて下さっているのです。肉体がなくなってからでは、修行が出来ないのです。

 

まだ、認知症になる人は救いがあるのです。本当の悪は、死ぬと地獄の下の方に直行してしまいます。だからまだ、認知症の人は修正がきくのです。ですから、私達もボケたくなかったら生まれた時の魂よりも、少しでもましな魂になるよう心の勉強をしなければなりません。

 

高級霊様(神様)にお伺いしますと、人間十五歳までは霊界の憑依はあまり受けないように守護して、それから二十歳位までは人間として生きていく基盤を作らなければならないから、よほど悪人でない限り悪霊からのつながりは防いでやるとのことです。

 

しかし、ここにも本人の自由意思が大きく関わっていますからその結果、前にも述べたように天国側か中間世界か地獄側につながります。五十歳を過ぎたら、今度は心を磨きこの世に生まれてきた目的達成の準備に入らなければなりません。達成に遠い道を歩んでいる人には、癌だとか脳卒中とか糖尿病等の病気を与えたり、事故や倒産、身内の不幸等を通して真理に気づけよと「手引き」をしてもらっているのです。

 

でも普通の人は、それに気づかず運が悪い、困ったぁ困ったぁと言って医者通いをしたり占い師や易に頼ったりしていますが、根本が直らないと良くならないのです。

 

だいぶ横道にそれてしまいましたが、Aさんの娘のB子さんについては当院で、さまよっているSさんと悪霊を彼女から切り離し、Sさんをあの世のしかるべき住処に連れて行きました。これで、B子さんは変わってくるはずです。

 

このように、本人の前生(前世)の因縁、住む場所の因縁、土地の障りなど、目に見えないものが複雑に絡んでいることもあります。一度、因縁を解決してもまだスッキリしない方は、諦めずにまた手紙などで便りを下さい。まだ、他にある場合も多くあります。

 

因縁も一度にすべて出る人と、その人の霊性に見合ったその時期にならないと現われてこない場合もあります。

 

〈後記〉

AさんとB子さんの因縁を解決して、半月になります。その後Aさんから便りがきました。すっかりB子さんは落ち着き、薬もやめ、料理も出来るようになり、体力がついてきたから働くことも考え出したとのことです。

 

Aさんも元気になり、「視力も回復してきてこんな嬉しいことはないです。みんな神様のお陰です」と嬉しい便りです。