当院の患者さんであるOさんは、今までにも何回か席を設けていろいろな障りは解決しており、稲荷様の障りもその中で二回ほど行ったことがあります。今回も稲荷様の障りが出ましたので、順番を待ってもらうつもりでしたが、それだとかなり先になってしまうため、席を設けないで行っていただきました。

 

(注)稲荷様は一体ばかりでなく、場所によっては異なる稲荷様が数体も出ることがあります。また、席を設けてやらなくてもほとんどは解決できますが、神様の目的は陰で解決してしまうことではなく、やってもらった本人に神様や目に見えない世界のことを理解させたり、人間としての心造りや生き方を正し伸ばさせるために、わざわざ時間が掛かっても席を設けてやっているのです。陰で解決してしまっては、ああ良かった、で終わってしまい、便利屋的に思われるから困るのです。

 

大神「この者智子なる者、そのようにおかしき気分になるは、この者自身ではないのじゃ。この者の住む屋敷におりし神、稲荷の社の神の怒りにてそのように気分いらだち、他の者達への関わり悪くいたさせておるのじゃ。待て、代わるぞ」

 

稲荷「わしじゃ。わしはこの者の住む屋敷におりし社の神、稲荷じゃ。わしは悔しいのじゃ。この者の体にわしが取り憑き、あのようにさせておるのじゃ。わしの怒りであるのじゃ」

 

加藤先生「申し訳ございません。どうかお許しくださいませ。本来ならば、Oさんが神様のみ前で深く深くお詫びを申し上げねばならないのでございますが、その時を待つとまだまだ先になってしまうので、いかがでございましょうか。私の思うには、この方がお詫びを申し上げた後に、お稲荷様のお社をお作りになりましてお祭りされたとしても、またいつの日か長い時間が経つと、知らぬ者達の心のない方達が出てこないとも限りませんので、いかがでございましょうか。

 

この折に神様の関わりあります御本殿へのお立ち戻りの儀につき、そのようになされましてはいかがかと存じますが……。もしお稲荷様がそのようにとの御心がございましたら、私の信ずる力のある神様にお願い申し上げまして、お立ち戻りの儀をお願い申し上げますが、いかがなものでございましょうか」

 

稲荷「さようか。そのようなることが適うのか。そのようなることが適うことなるは、わしとてこの場より戻りたいのじゃ。そのようなることが許されることなるは、頼みじゃ。頼みたいのじゃ。そのことを願うてくれぬか。頼みじゃ」

 

加藤先生「分かりました。よく分かりました。では早速そのことを私より願わさせていただきますので、どうかしばらくの間、お待ちくださいませ」

 

稲荷「すまぬ。頼みじゃ」

 

加藤先生「分かりました。大神様、親神様、誠に申し訳ございませんが、この方O家の智子さんの屋敷におられますお稲荷様の社の神様の御本殿へのお立ち戻りの儀、どうかどうかお許しくださいますことをお願い申し上げます」

 

大神「さようじゃ。この社の神なるは、長きに渡りさ迷いておりし神ゆえに、気の毒じゃ。よいのじゃ。これより即座に本殿の社の神の迎えを差し向けることにいたすゆえにのう。待て」

 

本殿の神「わしじゃ。わしは社の神、稲荷じゃ。わしの分神なるは立ち戻りを許されし事にて、この場に迎えとして参りたのじゃ。これより、この場にて苦しみておりし神、分神と代わるぞ」

 

稲荷「わしじゃ。わしは許され、嬉しいのじゃ。この場より抜け出すことにいたすのじゃ。(ここで抜け出る)

 

うううーん。抜け出たのじゃ。抜け出たのじゃ。この場より抜け出たのじゃ。この者達の住む屋敷より戻ることができるのじゃ。わしはこの者達との関わりなるは、なきことになりたのじゃ」

 

本殿の神「わしじゃ。わしの分身なる者共々、これより戻るのじゃ。戻るぞー」

 

大神「わしじゃ。大神じゃ。親神じゃ。これにて智子なる者への関わりはのうなりたのじゃ。案ずることはのうなりたのじゃ」

 

加藤先生「ありがとうございます。どうもありがとうございます」